2018 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring the potential of transcranial static magnetic field stimulation as a new non-invasive brain stimulation tool
Project/Area Number |
16K01522
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
桐本 光 広島大学, 医歯薬保健学研究科(保), 教授 (40406260)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 秀明 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (90339953)
山代 幸哉 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 准教授 (20570782)
浅尾 章彦 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (40780268) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 経頭蓋静磁場刺激 / 半側空間無視 / 視空間認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
側頭葉に対する経頭蓋静磁場刺激によるタキストスコープ線分分割課題の精度の変化 【目的】本研究では経頭蓋静磁場刺激(transcranial static magnetic stimulation; tSMS)が健常者の視空間認知機能に及ぼす影響について検討することを目的とした. 【方法】健常成人被験者16名を対象に、右頭頂後頭連合野(P4)または右側頭葉(C6)に対するtSMS,及び疑似刺激を20分間,別日にランダムな順序で行った.視覚刺激として,対称または非対称に分割された線分を,被験者の50 cm前方に設置したPCモニタ上に150 msec提示した.被験者は提示された刺激の消失後,「左(が長い)」「同じ」「右」と口頭で判別した.左が長い線分を「同じ」,または対称な線分を「右」と答えた場合はプラス,反対の場合はマイナスポイントを加算し,総点がプラスを左偏位,マイナスを右偏位と定義した. 【結果】介入前のスコアは仮性左偏倚9 名,仮性右偏倚7 名であった.左偏位群では,C4 に対するtSMS 時と疑似刺激時と比較して,C6に対するtSMS 時に有意にスコアが改善した.右偏位群では何れの条件の刺激の介入効果は求められなかった.介入前のスコアは左偏95名,右偏位8名であった.両群共にC6に対するtSMS終了直後に0ポイントに収束する,つまり左右の偏位が減少した.P4刺激と疑似刺激ではスコアに変化がなかった. 【考察】タキストスコープによる線分分割課題では健常者は左偏位を示すとの報告が多いが,本研究では右偏位例が少なからず観察された.右側頭葉に対するtSMSはタキストスコープによる線分分割課題の精度を改善する事が示唆された.本結果を半側空間無視症状の改善に応用するために,側頭葉に対する静磁場刺激により視空間認知機能が変化する機序について詳細な検討を行う必要がある.
|