2017 Fiscal Year Research-status Report
羞明感と色覚特性に着目した遮光眼鏡選択指標の汎用性及び実用性に関する研究
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16K01582
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
河本 健一郎 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (80367656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川嶋 英嗣 愛知淑徳大学, 健康医療科学部, 教授 (70387827)
和氣 典二 神奈川大学, マルチモーダル研究所, プロジェクト研究員 (20125818)
和氣 洋美 神奈川大学, マルチモーダル研究所, プロジェクト研究員 (80122951)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 視覚補助具 / ロービジョン / 高齢者 / QOL / 視環境 / 色弁別 / 色識別 / 羞明 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度実施した内容は以下の通りである. 評価用遮光眼鏡の作成 - 本研究においては,遮光眼鏡による透過光の錐体刺激量比や,視感透過率を系統的に変化させ測定を行う必要があるが,目的に合う遮光眼鏡は市販されていないため,新規に設計,製作の必要がある.本年度は測定に必要な錐体刺激量比や,視感透過率を再現する分光透過特性を計算し,視感透過率20%~80%,錐体刺激量比(L, M, S) = (1:1:1)~(1:0.5:0) の範囲を概ね再現できる,12種類のフィルター設計を完了した. 高照度下における遮光眼鏡装用時の色弁別特性,色分類特性の測定 - 市販の遮光眼鏡を使用し,入手した人工太陽光による高照度下の測定を行った.色弁別特性はこれまでの実験室環境における低照度下の条件とほぼ同じ特性を得たが,色分類特性については,より高い特性を得る傾向が見られた. 遮光眼鏡装用時の羞明感評価 - 遮光眼鏡装用時の羞明感強度検討に用いる,色文字を用いた色識別と視覚探索を用いた予備測定に着手した.提示文字数の増加に伴い,高齢者では若年者よりも探索時間が延長する傾向が得られている. その他,これまでの測定結果をもとに,弁別能力の測定を主とする眼科的色覚検査と色名呼称による色分類の結果を比較し,色覚特性の検討する上での眼科的検査法の有用性を検討した.測定方法の確認,研究遂行の調整の検討にかかる打ち合わせを,代表者と全分担者および研究協力者と行った.関連学会に参加し,研究に関する情報収拾を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
評価用遮光眼鏡の分光透過特性の計算が遅れたことにより,評価用遮光眼鏡の実物がまだ未入手であり,計画されていた本測定に着手できていないため,
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Strategy for Future Research Activity |
速やかに測定用遮光眼鏡を入手するとともに,遮光眼鏡選定における客観的な選択指標を検討する上で必要なデータを取得するために測定に着手する. 本測定の開始 - 遮光眼鏡装用時の色弁別特性,色識別特性,羞明感強度のデータを,高齢者,ロービジョン者,若年者の被検者群ごとに測定する.既存の色弁別特性に基づいた色覚検査の他,色名呼称による色分類特性,グレア光を用いた羞明感評価を行う.本測定は,上記の評価用遮光眼鏡を用いて行うが,これまで使用してきた市販の遮光眼鏡を用いてそれぞれの被検者群で行い,本測定を補助するデータを得る. 実施期間中,適宜研究遂行状必要な打合せを行う.また情報収集,成果発表のための学会,研究会参加も行う.期間後半に,進捗状況確認のための,代表者,分担者,連携研究者,協力者を一同に介した報告会を行う.
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Causes of Carryover |
評価用遮光眼鏡の製作の遅れより,遮光眼鏡にかかる経費を執行できなかったため,また,評価用遮光眼鏡の完成を受けて行う予定だった測定も実施できなかったため,謝金等の支出が生じなかった.
(使用計画)評価用遮光眼鏡の完成により,過年度支出予定であった遮光眼鏡にかかる物品費を執行予定である.測定の開始とともに,消耗品,測定協力者への謝金が発生し,過年度分も含め執行の予定である.その他,成果発表,情報収集のための,学会・研究会参加費(旅費),打ち合わせ費用(旅費)を執行予定である.
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