2020 Fiscal Year Research-status Report
子どもの認識から体育の学習内容を検証する―子どもの描画分析を中心として
Project/Area Number |
16K01608
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
松本 奈緒 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (30364699)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 学習者の認知研究 / 体育の学習内容 / 体育のアカウンタビリティ / 海外との交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、描画とインタビューの分析という質的研究アプローチを用い、子供の認識から体育の学習内容を検証することであった。本研究では、体育授業について何を学んだのか、印象に残ったことを毎時間、対象者である小学校中学年、高学年の児童に絵で描いてもらい、それを質的研究の方法論に沿って分類し、その傾向を明らかにした。また、抽出した児童を対象に、体育授業の具体的場面の観察から得られた疑問や描画を分析した際の疑問点等を質問項目とし、半構造化したインタビューを実施した。 今年度は前年に引き続き、ボール運動領域(ネット型)のデータ収集を行うことができた。具体的には、3年生、全8回1単元と5年生、全8回1単元について、毎時間の描画とインタビューデータを収集できた。 また、前々年度に収集した3年生器械運動領域についてのデータを、SHAPE America National Convention and Expo 2020 (新型コロナウィルスの蔓延によりウエブ開催)に発表した。また、前年度に収集した5年生の、ボール運動領域(ネット型)のデータを2020 Yokohama Sport Conference(ウエブ開催)にて発表した。これまでの分析の結果、3年生の器械運動領域においては、児童は自主的な学習において様座な試技を行い、その出来栄えについて自己評価し、次への練習方法や目標を設定していること、それらを明確にするために友達との協力や助言、先生からの助言や補助等が大きな役割を持つことが明らかとなった。一方で、5年生のボール運動領域(ネット型)においては、打ち方等の技能、グループ内の役割分担等のグループ内の協力、打つ強さや場所等を工夫する等の攻撃の工夫、隊形や名前を呼ぶ等の守備の工夫が明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の通りに、ボール運動領域のデータ収集を小学校中学年と高学年を対象に実施できた為。なお、新型コロナウィルスの影響で、大学での遠隔授業の準備等予定外の用務が増え、データ分析については遅れている。 また、これまでの研究成果の一部を、国際学会(新型コロナウィルスの関連でウエブ開催)にて発表した。
|
Strategy for Future Research Activity |
データの分析を進める。また、研究協力者と連絡をとりながら、研究論文としてまとめていく。
|
Causes of Carryover |
政治的不安や新型コロナウィルスの影響により、発表を予定していた学会が中止、または、ウエブ開催となり、成果発表の為の海外渡航費を使用することが叶わず、旅費に計上していた予算が残ることになった為。
|