2021 Fiscal Year Research-status Report
子どもの認識から体育の学習内容を検証する―子どもの描画分析を中心として
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16K01608
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
松本 奈緒 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (30364699)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 学習者の認知 / 体育の学習内容 / 体育のアカウンタビリティ / 描画分析 / インタビュー / 構成主義 / 海外との交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、描画とインタビューの分析という質的研究アプローチを用い、子どもの認識から体育の学習内容を検証することであった。本研究では、体育授業について何を学んだのか、印象に残ったことを毎時間、対象者である小学校中学年、高学年の児童に絵で描いてもらい、それを質的研究の方法論に沿って分類し、その傾向を明らかにした。また、抽出した児童を対象に、体育授業の具体的場面の観察から得られた疑問や描画を分析した際の疑問点等を質問項目とし、半構造化したインタビューを実施した。 研究のデータの収集については前年度までに終了しているため、今年度に関しては、データ分析と研究成果のまとめを実施した。前々年度に収集した3年生ボール運動領域(ネット型)についてのデータを2021 AIESEP Scientific Conference(ウエブ開催)にて発表した。本研究発表では7時間1単元のソフトバレーボールの技能習得を中心とした3年生の授業において、202の描画と45分52秒のインタビューデータから研究の成果が明らかとなった。分析の結果、子どもは単元を通して、腕を振りすぎない、ボールを見る、腰を低く、優しく打つ等のパス改善のためのこつについて気づいたことが明らかとなった。また仲間、楽しい、成功、失敗や難しい点が明らかとなった。また、学習に関する仲間同士の教え合いや教師の助言が子どもの学習のモチベーションを高め、技能改善のための良いヒントとなったことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの蔓延の為、大学の講義について、遠隔授業と対面授業と授業形態が状況によって変化している為、授業準備等に時間がかかり教育に対するエフォートが高くなっている。研究に対して集中して実施できる時間が相対的に少なくなり、これまで取得した研究のデータ分析がやや遅れているため。また、英語の論文作成についても取り組んでいるが、まだ中途である為。
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Strategy for Future Research Activity |
研究に集中できる時間を確保し、研究のデータ分析を進める。学会発表を計画的に実施し、それに向けてデータ分析と成果のまとめをする等励む。 英語の学会誌への執筆を共同研究者や英語校閲会社と連絡をとりながら進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により、発表を予定していた国際学会がウエブ開催となり、成果発表の為の海外渡航費を使用することが叶わず、旅費に計上していた予算が残ることになった為。 2022年度に関しては、国際学会が参加可能な形式で実施される予定であるので、海外の成果成果発表を実施し渡航費として順当に予算執行を行う。また、渡航費が残るようであれば、研究補助の謝金に使用する等、研究推進につながる予算の使用を実施する。
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