2022 Fiscal Year Research-status Report
子どもの認識から体育の学習内容を検証する―子どもの描画分析を中心として
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16K01608
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
松本 奈緒 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (30364699)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 学習者の認知 / 体育の学習内容 / 体育のアカウンタビリティ / 描画分析 / インタビュー / 構成主義 / 海外との交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は体育の学習内容について子どもの描画分析とインタビューの分析によって、小学校体育での子どもの学習内容を検証することを目的としている。 体育の1単元の授業について、毎時間終了後に学習者である子どもに学んだ点やコツについて描画で描き説明文を記入して貰った。また、何人かの抽出児(学習に積極的に関わっていた児童、または、描いた描画が興味深かった児童)についてはグループインタビューを実施し、学習についてや描いた描画について回答してもらった。研究方法については、質的研究法を用い、描画の内容やインタビューを内容毎に分類し結果を導いた。 今年度については、ボール運動領域一単元と器械運動一単元分のデータを分析した。分析の結果は以下に示す。 ボール運動(ネット型)領域については、5年生を対象としたソフトバレーボール8時間1単元の授業を分析した。分析の結果、技能改善、攻撃の戦術、守備の戦術、社会的な関係性、肯定的な気持ち、否定的な気持ち、次の目標、次のゲームへの転移の大概念が明らかとなった。この結果から、本ボール運動の学習の中で、学習者は試行錯誤を繰り返し技能改善したこと、課題達成したりするために複雑な戦術を考えたこと、正解や最善を得るために深く考えたこと、学習の意味やこの学習で学んだことが次の学習へと転移することが分かったことが明らかとなった。 器械運動(マット運動)領域については、6年生を対象とした全6時間の授業を分析した。分析の結果、成功、失敗、動きのこつ、場や練習方法の工夫、友人からの助言・応援、次への課題の大概念が明らかとなった。この結果から、本器械運動の授業の中で、学習者は試行錯誤を繰り返し技を習得したこと、多種多様な動きのこつを発見しながら活動を行なえたこと、活動を促進ししたり自分の行い方で不足する点を知るために友人や教師の助言が有効であったこと等が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究のデータを順次分析しており、国際的な学会において発表も実施できた為。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度、あと1件分析していないデータがあるので、それを分析し学会等で発表を実施する。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響が引き続き続いた1年であった為、国際学会への出席や学会発表を最も重要なもの1件のみ行った。 自由に外国に移動できるような環境になかった為、他の国際学会への出席や共同研究を実施している大学への訪問がかなわず、旅費に余剰が生じた為。
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Research Products
(3 results)