2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a coaching grader based on the proficient experience of top players and the practical knowledge of expert coaches
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16K01693
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
北村 勝朗 日本大学, 理工学部, 教授 (50195286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 万丈 日本女子体育大学, 体育学部, 教授 (40280333)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | スポーツ指導者 / 実践能力 / 熟達 / コーチングラダー / 指導力養成 / 指導熟達段階 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,スポーツ指導者育成に向けた,段階的な指導力養成支援システムの構築を目指すことにある。そのために,現場の問題解決力を実践知と捉えた上で,指導熟達の段階に応じたステップを「コーチングラダー」と位置づけ,いわゆる実践知のはしごによって指導者の現在の臨床実践能力を確認し,次のレベルへの目標につなげていくシステムを構築する。具体的には,①エキスパート選手のジュニア時代からトップレベルに至る熟達体験に影響を与えた指導の特徴の解明,②エキスパート指導者のもつ暗黙知の解明,③指導現場に利用可能なコーチングラダーの開発及び有効性の検証を行う。 令和4年度の主な計画は,コーチングラダーを活用した指導者の実践能力育成支援システムの研究成果の国内外への発信であった。昨年度までに得られたモデルを基に,より現場での実践知に結びつくコーチングラダーモデル改訂版を再検討し,研究成果を,国内外の学会において積極的に発信した。 研究成果の統括として,コーチング熟達過程のモデル化がなされた点があげられる。すなわち,コーチングラダーは,選手の視点から指導者の視点への拡散的な移行であり,省察性を伴う指導観の形成契機としての【指導者視点形成】,選手と指導者との心理的関係性の構築と常態化という意味を帯びた経験の共有と再文脈化としての【指導者作用力形成】,および変化し得る多様な文脈の中でメタな視点を有した言語化された実践知の再構成としての【指導実践知獲得】の3つの要素によって示される熟達化過程への影響要因が看取され,それぞれの要素が相互に作用する中で指導者としての成長が促進されていく一連の過程が推察された。更にこうした3つの実践能力は,指導者としての経験を重ねる時系列軸上に位置づけられ,指導熟達段階を経る中で洗練化され実践知の内実が高められていく点が明らかとなった。
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Research Products
(2 results)