2017 Fiscal Year Research-status Report
ブラジルにおける格闘技の意義 ~格闘技観、教育観、娯楽観~
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16K01712
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Research Institution | Yokkaichi Nursing and Medical Care University |
Principal Investigator |
菱田 慶文 四日市看護医療大学, 地域研究機構 地域研究センター, 研究員 (60625862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 哲也 茨城大学, 教育学部, 准教授 (30613921)
細谷 洋子 四国大学, 生活科学部, 講師 (60389856)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ムエタイ / ブラジリアン柔術 / ファベイラ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の調査は、8月にタイで行われたアマチュアムエタイの世界ユース大会と12月末ブラジルのリオデジャネイロにある4つのブラジリアン柔術の道場に調査に行くことができた。タイ国のアマチュアムエタイ世界大会では、ブラジルチームにインタビューした結果、選手は、自ら渡航費を捻出するほどの金銭を所持しておらず、チームは、寄付金や企業にスポンサーとなってもらい世界大会に参加している状況であることが分かった。大会事務局発行のアマチュアムエタイの機関誌において、リオデジャネイロやサンゴンサロなどの都市では、ムエタイの普及が、教会や公民館などを借り,ボランティアて行われていることが分かった。ファベイラ(スラム街)では、特に、犯罪組織や麻薬の密売者に関わらせないためにも活動が重要であると記されている。ムエタイのボランティア指導は、週に2、3回行われており、参加者の中には、いじめ被害者や不登校児の報告もあった。 12月に行ったブラジル、リオデジャネイロでの調査は、観光客でにぎわうコパカーナビーチにあるブラジリアン柔術道場やカンタガーロのファベイラにある柔術場の調査に成功した。コパカーナビーチの柔術道場は、ミドルクラス以上の白人が多く、フィットネスでもブラジリアン柔術は、行われていた。これらの道場の教育観は、少年少女に礼儀作法や身体訓練など健全育成のために、ブラジリアン柔術を教えるという理念のもと行われている。一方、ファベイラのジムでは、健全育成の側面に加えて、前述のムエタイと同様に、犯罪組織や麻薬の密売から遠ざけたい、という目的が第一であり、柔術をやっていれば、将来にファベイラ以外での生活ができるように、目標を持たせたい、等という、教育観を垣間見ることができた。これらの道場もボランティアでムエタイやブラジリアン柔術を教える人々の教育観や格闘技観を知ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究分担者、三人の予定がなかなか一致せず、現地調査を長期間行うことができなかった。その為、現地での合同調査を長期間行えず不安であったが、年末に集中して調査が出来たため、基礎的なブラジル格闘技界の情報が得られ、学会発表を行うことができた。その為、おおむね順調と言えるのではないか、と考えている。また、30年度もさらに、踏み込んだ研究を行いたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もリオデジャネイロのファベイラの他、日系移民の多い、サンパウロの格闘技道場を訪問し、調査したいと考えている。特に、貧困層にとってブラジリアン柔術やムエタイがどのような意味を持っているのか、貧しい人達が格闘技に何を見出しているのか、そのような部分を明らかにしたい、と考えている。
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Causes of Carryover |
ブラジルへの長期滞在を企画していたが、長期滞在ができなかったためである。 29年度に使用できなかった金額は、30年度のブラジル滞在に使用したいと考えている。
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Research Products
(1 results)