2016 Fiscal Year Research-status Report
野球投手の下肢体力要素,投球動作,および投球パフォーマンスの関連性について
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16K01731
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Research Institution | Jobu University |
Principal Investigator |
柳澤 修 上武大学, ビジネス情報学部, 准教授 (50371159)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 野球 / 投手 / 股関節 / 下肢 / 筋力 / 筋パワー / 疲労 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】本研究は,1試合完投相当の投球数が投手の下肢機能に与える影響を検証するとともに,投球パフォーマンスとして球速の変化を明らかにすることを目的とした. 【方法】大学生の投手12名を対象とした.投手はマウンド上から捕手に向かって,1イニングを13球(9球直球,4球カーブ)とし,9イニングの計117球を投じた.投球の前後で,内転外転筋力測定器Ⅱ(竹井機器工業)を用いて等尺性股関節内転・外転筋力を測定するとともに,GymAware (Kinetic Performance)にてスクワットジャンプ(腕振りなし)における跳躍高,平均パワー,および平均速度を評価した.加えて,投球パフォーマンスとして,スピードガン(ミズノ社)で捕手の後方から直球の初速を計測した.投球前後の体力項目の比較ならびに1イニング目と9イニング目の最高球速の比較は,対応のあるT検定にて行った.なお,有意水準は5%未満とした. 【結果】股関節の内転筋力(449.2±76.4 N → 420.3±62.7 N, P<0.01)および外転筋力(473.2±56.3 N → 446.1±57.5 N, P<0.05)は,投球前に比して投球後で有意な低下を示した.その一方で,スクワットジャンプの跳躍高(0.41±0.05 m → 0.42±0.04 m),平均パワー(2855.5±584.6 W → 2919.9±531.6 W),および平均速度(1.66±0.2 m/s → 1.58±0.18 m/s)は投球前後で有意な変化を示さなかった.球速に関しては,1イニング目の最高球速(132.4±7.1 km/h)と9イニング目の最高球速(130.8±7.9 km/h)に有意差は認められなかった. 【結論】本研究において,1試合完投相当の投球は投手の股関節内転筋力および外転筋力に疲労の影響を及ぼすことが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は1試合相当の投球数が投手の下肢機能に与える影響を検証したが,概ね計画通りに研究を進めることができた.予備実験を繰り返したことで,本実験で大きなトラブルが生じることもなく,妥当性と信頼性の高いデータを取得することができたと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,投手の下肢体力要素と投球動作ならびに投球パフォーマンスの関連性を明らかにすることを目標に研究を進めていく予定である.
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Causes of Carryover |
旅費や人件費・謝金の未使用が大きく影響していると考える.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究の進捗具合によって,変動しやすい消耗品や旅費として使用する予定である.
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