2018 Fiscal Year Research-status Report
学校保健と地域保健の連携・協働によるソーシャルキャピタル形成過程に関する研究
Project/Area Number |
16K01761
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
伊藤 武彦 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (10291973)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 恵子 くらしき作陽大学, 食文化学部, 教授 (60761591)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 学校保健 / 地域連携 / ソーシャルキャピタル / 地域保健推進 / 学校医 / 養護教諭 / 健康増進 / 食育 |
Outline of Annual Research Achievements |
1 .「小山町の社会環境の変化に関する地理情報データベースの構築」 平成30年度は前年度までの作業を継続するとともに,必要な現地調査を行った。 2 .「小山町における学校保健と地域保健の連携・協働が成立してきた歴史的過程の検証」 平成30年度は,平成29年度に引き続いて現地において聞き取り調査や詳しい資料(史料)の収集を行った。特に戦後の町内の健康教育に関する一次資料などを見出した。また毎年町内で開催される「おやま健康フェスタ」(地域保健活動)にブース出展の形で直接参加する機会を得た。具体的には,幼児・児童・生徒を中心とした身体計測と,年齢や体格に応じた適切な食事の選択に関する指導を行うようにした。食事の選択を指導する場面では,実物大の献立カードを用い,その献立の主たる栄養を加算できる簡便なシステムを開発して用いた。さらに,年齢を問わず参加しやすい運動(簡単なダンス)を現地の状況に合わせて考案し,実施した。これらの活動を通して実際に現地の保健関係者と協働するとともに,町民と接し,地域保健における連携・協働について観察し現在の状況について詳しい資料を得ることができた。 3 .「学校保健と地域保健の連携・協働によるソーシャルキャピタル形成に関する社会調査」 現地では御殿場市と小山町の各教育委員会,御殿場医師会(御殿場市と小山町を管轄),保健所,保健センターなどが連携・協働して「学校専門相談医制度」を形成し,10年以上の活動を重ねているが,毎年12月に両市町の教育長,幼稚園・保育園・子ども園,及び小学校・中学校の各校・園長,養護教諭が置かれる学校にあっては養護教諭,医師会関係者(専門相談医と学校医),両市町の保健福祉部門の担当者等が一堂に会して協議会を実施しているので,そこで協力を得て質問紙調査を実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1 .「小山町の社会環境の変化に関する地理情報データベースの構築」 については,データを加えつつ研究を続けている。よって概ね順調に進展している。 2 .「小山町における学校保健と地域保健の連携・協働が成立してきた歴史的過程の検証」 については,現地での地域保健活動への積極的な参加を通した研究を実施でき,学会で報告した。よって概ね順調に進展している。 3 .「学校保健と地域保健の連携・協働によるソーシャルキャピタル形成に関する社会調査」現地で行われている学校保健と地域保健の連携・協働の典型的な例である「学校専門相談医制度」について横断的調査を実施できた。この成果は令和元年度に学会及び論文で発表することにしている。 以上から概ね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
1 .「小山町の社会環境の変化に関する地理情報データベースの構築」 については完成をする。また成果を報告する。 2 .「小山町における学校保健と地域保健の連携・協働が成立してきた歴史的過程の検証」 については,前年度までの成果を論文等で報告する。 3 .「学校保健と地域保健の連携・協働によるソーシャルキャピタル形成に関する社会調査」 平成30年度に実施した調査結果を取りまとめて報告書を作成するとともに学会及び論文で成果を報告する。
|
Causes of Carryover |
現地調査を実施したが,その取りまとめが年度をまたぐことになったため,主として成果発表の費用が未使用になった。使用計画としては本課題の現地調査を実施したことにより,学校保健活動についてさらに現地で詳しく調べることで成果を充実させることが見込まれる点を調査し,成果を総合して学会または独立した成果発表の機会を持つことを考えている。具体的には令和元年秋に開催の学会において成果発表と討論の機会を持ちたいと考えるとともに,英文による論文投稿を考慮している。
|