2017 Fiscal Year Research-status Report
海外のロングステイ高齢者の心身健康管理システムの構築とその効果に関する研究
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16K01794
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
森岡 郁晴 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (70264877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 園美 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 准教授 (00438285)
宮井 信行 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (40295811)
宮下 和久 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50124889)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 在外日本人 / 健康支援 / インタビュー調査 / 質問紙調査 / 健康教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年2月から7月にかけて、フィリピンセブ州の日本人クラブ、タイ王国チェンマイの日本人会の会員で50歳以上の長期滞在者それぞれ150名を対象に質問紙を配布した。 調査内容は、健康行動【日本語版健康増進ライフスタイルプロフィールHPLPⅡ(魏ら、2000)を用い、健康行動を6つの側面から測定(健康行動得点)】、健康管理能力【14-item Health literacy Scale(Suka et al, 2013)(HL得点)】、属性【性別、年齢、同居家族、収入、英語力、海外渡航回数、滞在経験の有無、滞在年数】、社会環境的要因【現地の生活・医療状況】、日本からの医療支援【日本の医療サービスの有無、出発前の状況】とした。質問票は、フィリピン41名、タイ63名の計104名から回収できた(平均回収率34.7%)。 分析は、滞在者群と対照群(日本)との健康行動得点の比較を行い、身体行動得点の関連要因(滞在者群)の検討を行った。 滞在者群の特徴として、41%が9年以上の滞在期間から、海外における滞在経験が多い集団であったと考えた。HPLPIIの身体活動は、対照群と比較しても、50歳から64歳の中高年日本人(Zhang et al, 2013)や50歳以上の高血圧日本人(Kemppainen et al, 2011)と比較しても有意に高値であった。関連要因には、相互作用的リテラシー、政府機関のウェブサイトの閲覧、高血圧の既往歴が挙げられた。 今後このような関連要因を加味して、海外でロングステイする邦人の心身の健康管理面の支援を検討していく計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年は、交付申請に記載した研究計画に沿って、生活状況と医療行動の調査票を作成し、それを日本人会を通じて対象者に配布でき、対象2地区で100名を超す調査票を回収でき、解析の結果健康支援のポイントが明確にできたため。
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Strategy for Future Research Activity |
来年は、両地区で健康教育を実施して、その後再度アンケート調査を実施し、在外日本人の健康行動の健康支援の効果を明らかにしてく予定である。 健康教室の参加を促すために、希望する高齢者に、現地の病院で行われた血液検査、レントゲン検査などの結果を見せてもらい、健康相談を合わせて行う。 3年間の結果を踏まえて、ロングステイにおける健康管理のあり方を検討し、学術雑誌等に成果を公表していく。
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Causes of Carryover |
(理由) 旅費等で予定額と実支出額とで差額が生じたため。 (使用計画) 旅費に充填します。
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