2018 Fiscal Year Research-status Report
アクティブラーニングを導入したデートDV予防・介入教育プログラムの開発と効果検証
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16K01805
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
赤澤 淳子 福山大学, 人間文化学部, 教授 (90291880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井ノ崎 敦子 徳島大学, 保健管理・総合相談センター, 講師 (40570099)
下村 淳子 愛知学院大学, 心身科学部, 准教授 (60512647)
上野 淳子 四天王寺大学, 人文社会学部, 准教授 (90460930)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | デートDV予防・防止教育プログラム / アクティブラーニング / 青年期 / チーム学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、前年度に行った高校生および大学生を対象としたデートDVの予防・防止要因を探る質問紙調査を実施し、結果を日本心理学会第82回大会で発表した。分析の結果、他者視点の取得や怒りの制御がデートDV加害行為に関連していることが明らかとなった。また、これまでに国内外で実施されてきたデートDV予防・防止教育プログラム内容を検討した結果、行動の変容のためにはスキルの獲得が重要であることが明らかとなった。これらの知見をふまえ、2017年度に開発したアクティブラーニングを導入したデートDV予防プログラム内容を再検討した。 参加の意思が示された高等学校5校および大学1校においてデートDV予防・防止教育プログラムを実施した。その際、高等学校の養護教諭や家庭科教諭と連携しながら行った。プログラムの内容は、実施校によって多少異なるが、デートDVの定義、デートDVの実態、暴力の種類、暴力の境界、暴力を防止する要因であった。プログラム実施時には、小グループディスカッションやロールプレイなどのアクティブラーニングを導入し、生徒や学生における能動的な学びやスキルの獲得を目指した。また、プログラムの実施前、実施後、数ヶ月後に効果検証の質問紙調査を行った。その際、可能であればプログラムへの参加群と非参加群との比較も行い、プログラムの効果について詳細に検討した。そして、効果測定後には、非介入群へのデートDV予防・防止教育も実施した。 大学生や高校生を対象として実施したデートDV予防プログラムの効果検証結果について、日本心理臨床学会第37回大会で報告した。分析結果から、本プログラムを受けた高校生および大学生において、事前より事後にデートDVの暴力への認識が高まり、プログラムの暴力観への効果が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度に計画していた、(1)アクティブラーニングを導入したデートDV予防・防止教育プログラムの微修正については計画通り実施することが出来た。しかし、(2)アクティブラーニングを導入したデートDV予防・防止教育プログラム実施については、当初予定していた高等学校は10校であったが、5校となった。また、(3)アクティブラーニングを導入したデートDV予防・防止教育プログラムテキストの作成については、高等学校によって希望するプログラム内容や実施形式が異なっていたため、今年度は共通のテキストを作成することが出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、2018年度に実施したデートDV予防・防止教育プログラムの効果検証結果を分析し、本プログラムがデートDVのどのような側面に効果をもたらすのか詳細に検討する。また、2019年度も引き続き参加の意思を示した高等学校および大学で、内容をブラッシュアップさせながら、アクティブラーニングを導入したデートDV予防・防止教育プログラムを実施する。高等学校で実施する際には、養護教諭や家庭科教諭と連携しながら進める。 効果検証についても、プログラム実施前、実施後、数ヶ月後にも実施し、本プログラムがデートDVを予防する上で、どのような側面に効果があるのかについて検討する。具体的には、暴力観やスキルの獲得などの変容を検討する。その際、プログラムへの参加群と非参加群との比較検討も行う。それらの結果は報告書としてまとめ、実施校にフィードバックする。そして、実施したプログラムについて、いくつかの授業形態(例えば、1回90分用、3回50分用など)を想定したデートDV予防授業案としてまとめたテキストを作成し、アンケート調査に協力してくれた高等学校に配布する。その際、テキストにはプログラム内容だけでなく、デートDVの相談窓口等も掲載しておく。
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Causes of Carryover |
2018年度に10校の高等学校でデートDV予防・防止プログラムを実施予定であったが、実際には5校でしか実施できなかったため旅費が残った。2019年度も継続して参加意志を示した高等学校でのプログラムを実施する。 また、2018年度に作成予定であったプログラムをまとめたテキストを作成することが出来なかった。2019年度には、実施したプログラムについて、いくつかの授業形態(例えば、1回90分用、3回50分用など)を想定したデートDV予防授業案としてまとめたテキストを作成し、アンケート調査に協力してくれた高等学校に配布する。
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Research Products
(13 results)