2018 Fiscal Year Research-status Report
チェルノブイリ事故後のフィンランド・旧東独における旧ソ連製原発の運用継続と中止
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16K01984
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 温子 大阪大学, 国際公共政策研究科, 招へい研究員 (20748264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木戸 衛一 大阪大学, 国際公共政策研究科, 准教授 (70204930)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 原発 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度も、各人が担当地域における資料収集およびインタビューを行い、その成果を発表した。さらに、国内外および本研究以外の研究者を交えて研究会や勉強会を重ねた。具体的には、佐藤は、2018年6月に東北大学で行われた比較政治学会にて、自由企画「ヨーロッパにおける『境界』の意味─隣国の原子力政策とどう向き合うのか」の報告者らと意見交換を行った。同年7月には同志社大学で行われた日本ドイツ学会にて、拙稿が所収された『核開発時代の遺産』(昭和堂、2017年)の出版シンポジウムに、編著者であり研究分担者の木戸ならびに他の著者らと共に参加し、各自の原稿に関するコメントに返答した。8・9月には、フィンランド・スウェーデンにて研究調査を行った。この成果をまとめた論考が、2019年、『北ヨーロッパ研究』にて公表予定である。11月には京都大学で行われた国際ワークショップ”Radiation Diplomacy”に参加し、科学史への知見を深めた。2・3月にはドイツ・コブレンツにある連邦文書館にて、ドイツにおけるウラン濃縮施設建設過程の議論、およびチェルノブイリ原発後の政府内部の動向を探った。3月下旬には、広島で行われた「放射性物質の政治文化史研究会」にて、中川保雄『増補 放射線被曝の歴史―アメリカ原爆開発から福島原発事故まで―』(明石書店 2011)についての書評コメントを依頼されて行った。この過程で、科学史の研究手法と視座を分析することができ、本研究にも生かされる予定である。木戸は、4月にドイツのフランクフルト・アム・マインにあるドイツ国立図書館にて資料収集を行い、12月には阪神ドイツ文学会にて研究成果報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヘルシンキの図書館において、今年から部外者に電子資料へのアクセスができなくなったことに加えて、佐藤の公務が忙しくなり研究との兼ね合いが困難になった。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年8・9月にフィンランドのロヴィーサ原発周辺およびドイツにて、追加の研究調査を行う。
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Causes of Carryover |
研究の遅延により、その分の図書購入費および研究調査旅費が残っている。これらは、2019年度の図書購入費および研究調査旅費に使用予定である。
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