2018 Fiscal Year Annual Research Report
Cross-national research on the laivelifood of refugee and host communities in East Africa
Project/Area Number |
16K01988
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
内藤 直樹 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 准教授 (70467421)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | メガキャンプ / ホストーゲスト関係 / 難民経済 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、長期化難民がアクティブな経済活動を創出する機序と、それがホスト社会に与えるインパクトの解明にある。そのために、東アフリカ(ケニア・タンザニア)における複数の「メガ・キャンプ(大規模な難民キャンプ)」に関わる難民とホストによる経済活動の比較検討をおこなった。 その際に、難民支援の空間における排除と包摂の重層性に着目した。アフリカの 1次庇護国は難民の政治参加、就労、移動に関する何らかの制限を加えることが多い。他方で難民キャンプや定住地においては、国家がおこなうべき食料配給、医療・福祉、教育サービス等、 人間の生存に必要なモノやサービスが国際機関やNGO/NPO等の非国家主体によって包括的に提供されている。それゆえ難民の定住地やキャンプは、グローバルな人・モノ・情報が集積・フローする巨大な都市空間としての性質を備えている。 本研究では、人口10万人以上の難民キャンプに注目し、これを「メガキャンプ」と定義した。ひとつの難民キャンプにおける人口は、管理やロジスティクスのしやすさから6千人程度が望ましいとされている。だが、国家が崩壊すると大量の難民が発生することと、近年のアフリカ諸国は難民庇護に消極的なことから、少数の難民キャンプで大量の難民を庇護する傾向にある。2019年1月現在、ケニアには人口10万人を越える難民キャンプ(メガキャンプ)が2つ(ダダーブ難民キャンプ、カクマ難民キャンプ)、タンザニアには1つ(ニャルグス難民キャンプ)存在する。この両国では、ほとんどの難民が難民キャンプに集められている。これだけの規模になると、庇護国も国際機関も、難民の動向を完全には把握できなくなる。だが、それゆえに、人びとが時には非公式的な手段をも駆使しながら、自らの生活の場を生み出す創造性を駆使する場になる。そこで本研究では、これらの難民キャンプにおける難民の日常生活を比較検討した。
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Research Products
(3 results)