2021 Fiscal Year Research-status Report
性同一性障害とスポーツ ~治療に伴う運動能力変化と競技スポーツへの参加~
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16K02036
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
関 明穂 岡山大学, 保健学研究科, 客員研究員 (20314685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 久雄 岡山大学, 全学教育・学生支援機構, 特任教授 (30135967)
中塚 幹也 岡山大学, 保健学域, 教授 (40273990)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | トランスジェンダー / 競技スポーツ / 性別違和 / 性同一性障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症拡大のため、当初予定していた調査・研究の多くを本年度も断念せざるを得なかった。まず、トランスジェンダーの人の体力・運動能力測定については、研究協力者に体力・運動能力測定を実施していく施設まで来ていただくことが、感染予防の観点から困難であるため実施することができなかった。また、大学生を対象とした質問紙調査も、大学構内への入構制限などが継続する中でみあわせざるを得なかった。 一方、本年7月に開催された東京オリンピックに男性から女性へ性別移行したトランスジェンダーの選手が女性として出場したことを受けて、当初予定していなかった以下の調査を実施した。すなわち、このトランス女性のオリンピック競技への出場がテレビ、新聞などで報じられ、トランス女性のスポーツ参加に関する肯定、否定両面からの意見がネット上に発信された。そこで、これらのネット上での言説の収集、分析を行った。 肯定的な意見としては、このトランス女性の参加は、スポーツにおいて性の多様性を認めることの象徴であり、本人の性自認が尊重された結果として当然のことである、などがあった。一方で、否定的な意見として、トランス女性の女性競技への参加は女性アスリートにとって不公平であり、脅威であると主張する批判も数多く認められた。選手本人の性自認の尊重と競技の公平性とのバランスをどのようにしてとり、人々が納得できるようにするかが課題であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
性同一性障害・トランスジェンダーの人の体力・運動能力測定を行っているが、新型コロナウイルス感染症蔓延が本年度も継続したため、研究協力者を体力・運動能力測定を行っている施設に来ていただくことができず、十分な人数の協力者を得ることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染症の終息が見通せないため、これまでの調査、研究結果をもとに最終の結果報告書を作成、インターネット上などで公開し、本年度で研究を終了させる。 また、研究に協力していただいた健康増進施設とマラソン大会主催に結果報告書の発送を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症拡大のため、当初に予定した調査、研究を見合わせざるを得なかったため。 これまでの調査、研究結果をもとに最終の結果報告書を作成し、インターネット上などで公開する。また、研究に協力していただいた健康増進施設とマラソン大会主催に結果報告書の発送を行う。
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