2016 Fiscal Year Research-status Report
産業連関法による沖縄観光の内包型資源・環境負荷およびフットプリントの推計
Project/Area Number |
16K02073
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
金城 盛彦 琉球大学, 観光産業科学部, 教授 (30317763)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 沖縄観光 / キャリング・キャパシティ / 内包型原単位 / 産業連関法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年度は「2011年度沖縄県産業連関表」を入手しました(従来の5年毎の公表ペースだと2010年度版のはずですが,遅延ゆえか2011年度版が公表されました)。本来は2016年度前の公表予定だったのですが,大幅に遅れていました。最新の産業連関表が公表されたので,未公表の場合の経済産業省の手法等に基づく「2010年度沖縄県(延長)産業連関表」の推定作業は不要となりました。 多岐に渡る「観光産業」は,UNWTOですら明確には定義できていなことから,既存の報告者や先行研究から観光関連産業を定義する必要が有ります。様々な資料を検討した結果やはり,沖縄観光に関して最も権威がある『観光統計実態調査・観光客満足度調査』で用いられた観光関連産業の基準を採用することにしました。 一方,EFをはじめとする資源・環境負荷強度(原単位)は主にコンポーネント法とコンパウンド法で推計されます。産業連関法に基づけば,両手法で推計される「内包型原単位」は同じものとなることの理論的に検証は完遂できていません。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
それまでに存在していたものが,2005年度版だったため,初年度は分析に必要な最新の産業連関表の作成を想定しいました。しかし,「2011年度沖縄県産業連関表」が公表されたため,作成は不要となり,結果的に研究の進捗の大幅な遅れとはなっていません。 産業連関法に基づけば,EFなど資源・環境負荷強度(原単位)を求める際のコンポーネント法とコンパウンド法で得らえる「内包型原単位」が同じになることの理論的検証は,完遂には至っていません。
|
Strategy for Future Research Activity |
分析に用いる最新の「2011年度沖縄県産業連関表」は入手済のため,2017年度は途中まで進んでいるEFなど資源・環境負荷強度(原単位)を求める際のコンポーネント法とコンパウンド法が産業連関法の下では同じ「内包型原単位」になることの理論的検証を完遂します。その上で,「水」を対象に,資源・環境の「内包型原単位」の本格的推計に着手します。 その際,当初計画にはなかった新たな試みとして,多部門ではないものの,これまでの産業だけでなく家計部門を含んだ形での「内包型原単位」の推計へ成果指標の拡大を図りたいと考えています。たとえば,水などは家計部分の消費も多く,家計を含んだ「内包型原単位」でなければ,真の意味での地域(沖縄)のキャリング・キャパシティ指標とはなり得ないと言えるからです。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じ理由は,上出の通り,当初作成を予定していた「2010年度沖縄県産業連表」が,1年遅れですが「2011年度沖縄県産業連関表」の形で公表されたことに起因します。したがって,自前で産業連関表を作成する場合の資料収集や技術交流などを想定していた旅費(出張経費)等が不要となりました。また,作成のためのデータ入力などの人件費・謝金も不要となりました。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
「産業連関表」の作成が不要となったための次年度使用額も含め,それらは主に,様々な環境因子の内包型原単位推計のための基礎データ,直接使用(負荷)量の使用データの収集に充てたいと思います。主に,資料収集や技術交流目的の旅費(出張経費)や,データ入力の補助に対する謝金や,そのために必要な備品の購入などに充てる予定です。
|
Research Products
(1 results)