2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K02128
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
久高 將晃 琉球大学, 法文学部, 教授 (80398304)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 討議倫理学 / 普遍化原理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本「研究の目的」は、討議倫理学の総合的研究を完成させるために、討議倫理学の道徳原理である「普遍化原理」を(1)現実的な討議倫理学のために新たに定式化し、(2)根拠付けること、である。 この目的のために、「研究実施計画」に従って昨年度(平成28年度)は、目的(1)から研究を進める予定であったが、変更になり目的(2)から研究を進めた。今年度(平成29年度)は、この変更に伴い、「研究実施計画」と平成28年度の実施状況報告書の「今後の推進方策」に従って、第一に、「普遍化原理」の根拠付けの完成(目的(2))を、第二に、「普遍化原理」の定式化(目的(1))に関する諸論考の読解及び分析を行った。 まず第一に、「普遍化原理」の根拠付け(目的(2))に関しては、これまでの先行研究を読解・分析した結果、従来の根拠付けは論点先取であることを明らかにし、その成果を大学紀要に発表した。更に、超越論的語用論的な根拠付け、すなわち、遂行的自己矛盾に基づく根拠付けに従って、論点先取に陥らずに、「普遍化原理」を根拠付けることができることを明らかにし、その成果を大学紀要に発表した。これらの成果から、目的(2)については、ほぼ達成したと考えられる。 第二に、「普遍化原理」の定式化(目的(1))に関しては、様々な文献の読解と分析を行い、そこから得られたアイディアを批判的社会理論研究会で発表し、「利害関係者」と「討議参加者」との関係等、「普遍化原理」を適切に定式化するための着想を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度(平成29年度)は、「研究実績の概要」に記したように、第一に、「普遍化原理」の根拠付け(目的(2))に関しては、大枠が完成し、その成果を2編大学紀要に発表した。第二に、「普遍化原理」の定式化(目的(1))に関しては、文献の読解・分析から得られたアイディアを、批判的社会理論研究会で発表し、「普遍化原理」を適切に定式化するための着想も得られた。それ故、全体としては、「研究実施計画」と平成28年度の実施状況報告書の「今後の推進方策」通りに研究は進んでいると考えられる。従って、確かに、平成28年度の「今後の推進方策」で予定していた、ドイツの研究者との意見交換あるいは第二回討議倫理学研究会の開催を行うことはできなかったが、今年度の研究の進捗状況からすると、研究はおおむね順調に進展していると、自己評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、第一に、残された研究目的(1)である「普遍化原理」の定式化を完成させたい。そのために、これまで得られた着想(「利害関係者」と「討議参加者」との関係等)を活かし、具体的な問題状況への適用も考慮しながら「普遍化原理」を適切に定式化したい。 第二に、本研究の総括として、国内外の研究者を招聘し、国際討議倫理学研究会を開催し、発表、議論を行いたい。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、「研究実施計画」の一つである「ドイツの研究者との意見交換」あるいは「第二回討議倫理学の開催」を、今年度、実施できなかったことにある。 次年度使用計画は、第一に、「研究実施計画」に従い、国際討議倫理学研究会の開催のために、旅費として研究費を使用する計画である。 第二に、研究文献の購入のために、物品費として研究費を使用する計画である。
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Research Products
(2 results)