2017 Fiscal Year Research-status Report
フランス現代哲学における主体・人格概念の分析(愛・性・家族の解体と再構築を軸に)
Project/Area Number |
16K02151
|
Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
藤田 尚志 九州産業大学, 国際文化学部, 准教授 (80552207)
|
Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2019-03-31
|
Keywords | 家族 / 性愛 / 主体 / 個人 / 人格 / フランス哲学 / フランス文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目となる昨年度は、当該課題を出発点として幅広く研究を行ない、共編著2冊・共著2冊・論文1本を刊行し、発表を四つ行なった。 中心になった論文は、岩野卓司編『共にあることの哲学と現実――家族・社会・文学・政治(フランス現代思想が問う〈共同体の危険と希望〉2 実践・状況編)』(書肆心水、2017年)所収の論文「現代社会における愛・性・家族のゆくえ――ドゥルーズの「分人」概念から出発して」(37-81頁)である。ここから主体性・個体性・人格性概念の基礎となる記憶の問題などにも展開を試みた。 また、「家族の時間――是枝裕和の近年の作品における「分人」的モチーフ」:シンポジウム「ネット文化のなかの台湾と日本――オリジナリティー再考」(2017年7月23日(日)@京都工芸繊維大学60周年記念館1階大ホール)では映画の領域、「レチフ的ユートピアにおける結婚――『南半球の発見』を中心に」:九州仏文学会ワークショップ「変愛のフランス文学」(2017年12月9日(土)@西南学院大学)では文学の領域、そして「フーリエ的ユートピアにおける愛・性・家族――『愛の新世界』と結婚の未来」:国際シンポジウム「フーリエ研究集会」(2018年3月27日(火)@一橋大学)では社会思想史の領域へと、それぞれ積極的にアプローチした。 英語中心主義が鮮明になるなか(あるいは業績量産のためか依然として人文科学においては日本語での研究が中心であり続けるなか)、フランス語による共著の刊行や口頭発表を行なったことも特記しておきたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目となる昨年度は、当該課題を出発点として幅広く研究を行ない、共編著2冊(うちフランス語1冊)・共著2冊・論文1本を刊行し、発表を四つ(うちフランス語1つ)行なったので。
|
Strategy for Future Research Activity |
公務多忙につき、実現は不透明であるが、本年は最終年度となるので、可能なかぎり国際シンポジウムを開催し、総括を行ないたいと考えている。 また、昨年度行なった学問分野上の(映画研究や文学研究との)クロスオーバーをさらに大きく展開できないかどうかも検討してみたい。
|
Causes of Carryover |
本年度シンポジウム開催を計画していたが、学部再編・大幅縮小に伴う諸業務負担の増大により、計画の適正な執行が困難になったため。 最終年度となる本年度に何とか国際シンポジウムを開催したいと考えている。
|
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Book] 反「大学改革」論2017
Author(s)
藤本 夕衣、古川 雄嗣、渡邉 浩一
Total Pages
264
Publisher
ナカニシヤ出版
ISBN
9784779510816
-