2016 Fiscal Year Research-status Report
シリア・キリスト教研究 - アラム的視点からキリスト教を問い直す
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16K02214
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Research Institution | Seisen University. |
Principal Investigator |
竹田 文彦 清泉女子大学, 付置研究所, 教授 (60319811)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | シリア / キリスト教 / 聖書 / 翻訳 |
Outline of Annual Research Achievements |
科研費研究一年目としてシリア・キリスト教の歴史、思想の基盤であるシリア語訳聖書の研究に力点を置いた。数回にわたるシリア・キリスト教に関する講演、発表とともに、11月には、清泉女学院大学の芝山豊さんが代表を務める科研費研究「聖書翻訳史から見るモンゴルのキリスト教思想」とのコラボレーションにより国際シンポジウムにてアジアにおける聖書翻訳史の中でシリア語訳聖書が占める位置の重要性を示した。
研究の具体的内容 1.発表・講演 (1) 2016年1月24日 日本基督教団神奈川教区教職者研修 講演「シリア・キリスト教の意味するもの - アラム的視点からキリスト教を見直す」 於 神奈川県IPC生産性国際センター (2)2016年3月2日 清泉女子大学キリスト教文化研究所研究合宿 発表「シリア語訳新約聖書」 於 神奈川県IPC生産性国際センター (3)2016年7月31日 日本基督教団神奈川教区信徒研修会 講演「シリア・キリスト教の世界 - その霊性と歴史的・今日的意味 」 於 横浜日本基督教団紅葉坂教会 (4)2016年11月5日 国際シンポジウム「モンゴル訳聖書とアジア・キリスト教の遺産」 発表「シリア語訳聖書 - その歴史と意味」 於 清泉女子大学 (5)2016年11月19日 上智大学聖書講座 「慈しみとまこと - いのちに向かう主の小道」 発表「『肝苦りさ』の心 - 神のいつくしみと私たちの回心」 於 上智大学
2.出版 (1)「「肝苦りさ」の心 - 神のいつくしみと私たちの回心」 上智大学キリスト教文化研究所編 『慈しみとまこと - いのちに向かう主の小道』 リトン 掲載出版予定(原稿提出済み) (2)「シリア語訳聖書 - その歴史と意味」 芝山豊他編 『聖書から見るアジアの翻訳文化~周縁からの視点』 日本基督教団出版局 掲載予定 (編集作業中)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度のシリア語聖書に関する基礎研究を踏まえて、2年目からはシリア・キリスト教の文化・歴史・思想についてさらに研究を進展させていくことが可能であるから。 さらに、シリア語著作家たちの原典ならびに海外のシリア・キリスト教研究者の優れた著作の翻訳を昨年から継続中であるから。
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Strategy for Future Research Activity |
1年目に引き続きシリア・キリスト教に関する研究・論文執筆を行う。また、シリア語著作家原典からの邦訳、ならびに優れた海外研究書の翻訳を継続し出版に結び付ける。特に2年目は、シリア・キリスト教とイスラーム教の歴史的な影響関係について、平成29年6月に上智大学キリスト教文化研究所第45回連続講演会「イスラーム世界に生きるキリスト教」において、「シリア・キリスト教徒たちの見たイスラーム勃興」という題目でシリア・キリスト教のイスラーム勃興に対する歴史的、文化的影響について研究成果を講演する予定である。さらに、平成29年の夏には海外の大学等研究期間へ資料調査にも行く予定でいる。
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Causes of Carryover |
初年度に参加を予定していた国際学会がテロの影響により開催中止となったため参加出来なかったことにより、旅行費として計上していた分の経費が使用せずに残ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は、前年度の余剰経費も含めて海外の大学研究期間における文献など調査のため海外渡航の予定があり、また参加出来なかった学会に変わるものとしての国際学会が開催されれば参加を予定している。
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Research Products
(2 results)