2018 Fiscal Year Annual Research Report
Intellectual Interaction Amongst Scholars Centering on Kaitokudo School
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16K02219
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
清水 則夫 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (30580849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本村 昌文 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 教授 (80322973)
グラムリヒ・オカ ベティーナ 上智大学, 国際教養学部, 教授 (60573417)
高橋 恭寛 東日本国際大学, 東洋思想研究所, 准教授 (70708031)
浅井 雅 神戸大学, 国際文化学研究科, 協力研究員 (80782010)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 懐徳堂 / 朱子学 / 陽明学 / 『春水日記』 / 龍野藩 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度に実施した研究の成果としては、当初計画のとおりに、海外における研究報告会として、北京外国語大学北京日本学研究センターを訪問、報告会を実施(2018年11月23~24日)し、各自の研究成果を発表するとともに、現地の研究者および大学院生の意見を聞き、また彼らと交流を深めた。研究代表者および分担者二名の計三名は、この時の成果を論文化し、同センター発行の学術誌『日本学研究』に論文が掲載されることが決定している。また分担者の一人が主宰する「日本の人名データベース」(https://www.network-studies.org/#!/)は、既に昨年度から公開をはじめているが、今年度も随時データを追加し、より一層の充実を図った。
研究期間全体を通じて実施した研究の成果については、以下のようにまとめられる。18世紀前半、徂徠学が盛行するかたわら、朱子学および陽明学では徂徠学への対抗意識も相まって学派意識が亢進し、学者たちは見解の相違に基づき論戦を繰り返したが、やがてそうした風潮への反省が見られるようになる。当該期には儒教の社会的認知が高まり、諸藩にも「儒者」という役職が置かれる例が増えた。それにつれて、儒者同士の人的交流も盛んになり、江戸や国許、あるいは懐徳堂のような拠点を中心に、さまざまな学者間ネットワークが形成されるに至る。交流を支えたのは、儒教という学問と詩文という文人のたしなみであり、交流の現場では学問的議論と詩文の応酬が通例となり、時には姻戚関係にまで発展した。こうした状況下で成長した次の世代の学者は、従来の学派意識に対して総じて否定的態度を取り、懐徳堂の朱子学もそうした世代交代を反映しつつ変化していったのである。
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Remarks |
分担者の一人が管理・運営するデータベースである。
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Research Products
(16 results)