2016 Fiscal Year Research-status Report
インド・ミャンマー国境に暮らすナガのポリフォニー民謡に関する音楽民族学研究
Project/Area Number |
16K02242
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
岡田 恵美 琉球大学, 教育学部, 准教授 (60584216)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ナガ / インド北東部 / 民謡 / ポリフォニー / 少数民族 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は初年度ということもあり、最初の4ヶ月間は人類学分野におけるナガに関する先行研究の読み込みを行い、キリスト教化する以前のナガの各少数民族の伝統的な社会構造や言語、風習についての知識を深めた。 8月には、第1回インド現地調査を17日間にわたって実施した。ナガランド州都のコヒマや周辺の農村部ではアンガミの民謡について、ペク県のメルリではポチュリの伝統音楽や民謡、そしてキフェレ県キフェレ村では男女様々な民謡のレパートリーを調査対象とし、民謡の実践の場を、情報提供者の許可を得た上で録音・撮影した。また幅広い年齢層へのインタビュー調査を通して、自らの伝統的民謡をどのように捉えているのか、その保存や伝承に対する意識を被調査者の世代に分けて考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、当初は8月と2月の2回の現地調査を予定していた。8月の調査は順調に実施できたものの、2月の調査は勤務先の事情もあり、実施することが出来なかった。これに関しては、次年度で進めていけるように対応する。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の遅れを取り戻すべく、今後は、ミャンマー側ナガ自治区のレーシーやラヘーでの調査を通して、ミャン側ナガ社会の民謡のレパートリーや楽曲構造、旋律、音階、リズム、発声法といった音楽的要素や、詩型・歌詞内容、民謡が歌われる社会文化的脈絡について考察する。 また8月には第2回インド調査を予定し、ナガランド州西部に位置するウォカとモコクチュンにてロタとアオの民謡、州東部のキフィレでイムチェンゲルを、トゥエンサンでサンタムとチャン、中央部のズネボトでセマの民謡を調査する。
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Causes of Carryover |
今年度の使用期限日時点での残額が非常に少額であったため、次年度への持ち越しが良いと判断した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度分にあわせて使用する。
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Research Products
(2 results)