2018 Fiscal Year Research-status Report
インド・ミャンマー国境に暮らすナガのポリフォニー民謡に関する音楽民族学研究
Project/Area Number |
16K02242
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
岡田 恵美 琉球大学, 教育学部, 准教授 (60584216)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 民謡 / ポリフォニー / 少数民族 / 労働歌 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、8月にインド北東部ナガランド州のディマプルやコヒマ等で現地調査を実施した。そこでは、第一に前年度からの継続として、チャケサン・ナガの民謡文化に関して、文化保存団体代表やチャケサン・ナガ出身の学者へのインタビュー調査を行い、伝統的な民謡の歌詞の分析も更に充実させた。また第二に、伝統的な歌文化の保存と西洋音楽の波及の関連性について、若年層の教育的側面に着目して、州政府の教育省や多数の教育機関を訪問して集めたデータを基に新たに考察を行った。 前者の研究に関しては、民族音楽学において権威ある国際学術誌に論文が掲載された。また後者については、所属大学の紀要に「インド北東部ナガランド州の音楽教育:なぜインド国内で最も西洋音楽教育が浸透しているのか」と題した論文投稿を行った。 当該年度の調査や論考を経る中で、「人がなぜともに歌うのか」という歌文化の本質が浮き彫りとなり、次年度では、複数で歌われる「労働歌/仕事歌」という観点からも研究を更に発展させてゆく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は、現地調査の期間は短かったものの、従来以上に調査対象を広げたため、充実した内容となった。また、国外と国内の学術誌に論文が掲載され、研究成果を公開することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成31年度(令和元年)が最終年度となる。そこで、これまでの調査資料を再検討した上で、インド北東部に暮らすナガの音楽文化を体系的にまとめ、出版を目標に取り組む。また、「人がなぜともに歌うのか」という歌文化の本質に着目し、前述した、複数で歌われる「労働歌/仕事歌」という観点からも、調査対象を広げて研究を更に発展させる。
|
Research Products
(6 results)