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2016 Fiscal Year Research-status Report

舞台美術から見た日本のオペラ文化史的考察

Research Project

Project/Area Number 16K02253
Research InstitutionMusashino Art University

Principal Investigator

牧野 良三  武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (80120872)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords上演記録の視覚化 / 分類と解析
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、オペラという外来文化(芸術)が日本で受容される過程を、舞台芸術の構成要素である舞台美術の視点から、造形的、空間的に解明しようとするものである。そのために戦後日本のオペラ上演の記録を主要上演団体ごとに整理し、時系列にまとめ、オペラ上演の過程が総覧できるような独自の上演記録を作成した。また、日本のオペラの受容の過程をより客観視できるよう、各国歌劇場の来日公演、国内主要劇場の主催公演等の上演演目を追加した。
研究の基点となる上演記録の解析にあたっては、「オペラを視覚的存在として捉える」ことを前提とした。これは舞台美術を、演出、演技、役柄などとともに、物語性、時間経緯などを舞台上に物理的に形象表現する機能を持つものとして捉えたためである。従って、オペラの物語の系統を類別し、造形的視点(美術的視点)から見ると、次のような分類が可能となる。①物語の世俗的背景が重視される作品。②物語の寓意性、幻想性が重視される作品。③物語の神話的、伝説的解釈が重視される作品。④祝祭性、上演形式のスケールを重視する作品。これら分類を造形的解釈としてオペラ上演の動向を見極める手掛かりにすることとした。この分類の結果は今後研究を進めていく上で重要な情報であるとともに、その過程で制作する複数の図表は、日本のオペラ上演の動向を見極める資料となる。さらに、これら物語的分類による造形的表現の解析は、演出意図や音楽的解釈を解析する手掛かりになり得るものでもある。
これらの研究成果についてはデータ化し、インターネット上に公開する予定であるが、図表その他、表記について、わかりやすさを第一にその方法を検討している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究対象作品選定のための解析の基準の検討に時間を費やし、また、図表、その他の表記のあり方を検討中のため、データ化の作業が遅れている。

Strategy for Future Research Activity

今年度の研究は、前年度の研究成果である、解析のための基準から見出だされた作品群を対象に順次絞り込みを図り、研究対象となる作品を選定する。さらに、選定した作品の図面、完成予想図、模型等の情報を収集し、造形的、空間的な検討を行なう。検討作品を増やすことで、舞台美術から見たオペラ受容の過程を明らかにするための証例とする。その方策として、歴史的、質的に充実している、武蔵野美術大学所蔵の三林亮太郎作品の中から研究対象を抽出し、その候補とする。受容の形をより明らかにするため、他の証例を収集する。
また、前年度検討対象となっていた、図表、その他の表記のあり方を検討し、実のあるものとする。
研究成果についてはデータ化し、インターネット上に公開する。

Causes of Carryover

研究対象の作品選定の遅れと、図表、その他の表記のあり方の検討継続中のため、データ化の作業が遅れている。
その理由により、データ化作業の人件費、それに伴う物品購入ができなかったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

前年度で遅れた作業を実行するための人件費・謝金、物品費等。
研究対象となる作品について、舞台美術に関する情報の収集と整理のための作業にかかる人件費。また、図面、完成予想図、模型等の制作にかかる人件費・謝金、材料費、関連図書購入費等。
研究の進捗状況をインターネット上で公開するためのグラフィック、及びデータ作成のための人件費・謝金、物品費等。

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Published: 2018-01-16  

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