2021 Fiscal Year Research-status Report
新移民音楽の受容とフォーク音楽との関係を、音楽言説の観点から検討する
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16K02352
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Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
黒田 晴之 松山大学, 経済学部, 教授 (80320109)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 大衆音楽 / フォーク / 新移民 / 音楽言説 / クレズマー / レベティコ / ギリシャ / ユダヤ人 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度も新型コロナウイルスの影響により、本報告者が研究分担者として加わっている基盤研究(B)、および本報告者が会員となっている神戸・ユダヤ文化研究会による、オンライン研究会等で活動するとともに、海外の研究協力者とは、メールやZoomによって国内でも可能な作業を進めた。 ボーフム大学研究員Ioannis Zelepos氏と、ギリシア音楽レベティコの研究書の翻訳について、最終確認をしたのち、アテネおよびテッサロニキで、本研究課題に関わる現地調査・資料収集を、2022年春に実施する予定だったが、新型コロナウイルスによる影響のため、ことしも断念せざるをえなかった。ただし国内でできる作業はすべて完了した。この翻訳に出てくる人名・概念等について、ギリシャ国内のギリシャ語話者にお願いして、メールおよびZoomによって、ネイティヴ・チェックを実施した。原稿はすでに出版社に送付済みで、現在は編集作業を行なっており、2022年中の出版を目指す。この翻訳書の「訳者解説」には本研究課題の成果を一部盛り込んだ。具体的には、1) ギリシャ音楽について、ギリシャ本国内のユダヤ人の音楽活動、2) アメリカに移民した当時(20世紀初頭)の東欧・南欧出身者、「新移民」の音楽活動、こうした移民背景のあるレコード産業、3) アメリカから一時的に母国のギリシャに帰った音楽家の活動、4) アメリカにおけるフォーク・リヴァイヴァル後(1960年代以降~現在)の東欧・南欧出身者の音楽活動、についてである。 2021年度は本研究課題の最終年度にあたるため、研究成果報告会を開く予定だったが、これも断念せざるをえなかった。以上の計画を次年度に実施したのち、最終成果を論文にまとめる作業に取りかかる予定である。これら以外の成果としては、丸善出版から刊行された『中欧・東欧文化事典』のエントリー「東欧ユダヤ音楽」の執筆がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスによる影響のため、2022年春にドイツとギリシアで実施予定だったヒアリング・現地調査・資料収集を、次年度に見送ることを余儀なくされた。 新型コロナウイルスによる影響のため、研究成果報告会を、2022年春に開く予定だったが、これも新型コロナウイルスのために開催できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の補助事業期間を、1年再延長して令和4(2022)年度までとし、上記「現在までの進捗状況」で示したように、中止になった2つの事業を確実に実現し、最終的な成果を論文としてまとめたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスによる影響のため、2022年春にドイツとギリシアで実施予定だったヒアリング・現地調査・資料収集を、次年度に見送ることを余儀なくされた。 新型コロナウイルスによる影響のため、研究成果報告会を、2021年春に開く予定だったが、これも新型コロナウイルスのために開催できなかった。 次年度使用額はすべて、上記の2つの事業を再開するために、使用することを計画している。
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Research Products
(2 results)