2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K02506
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
小倉 いずみ 大東文化大学, 法学部, 教授 (00185563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中根 一貴 大東文化大学, 法学部, 准教授 (10600645)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 全米ソロー学会 / ソロー生誕200年 / 文学における逆説 / エマソンとソロー / チェコの政治と啓蒙主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は本研究の2年目であるが、すでに研究成果をアメリカ合衆国で発表した。昨年度はNortheast Modern Language Associationで行ったが、今年もアメリカの学会で発表した。2017年はヘンリー・デヴィッド・ソローが誕生して200年になり、アメリカのソロー学会が盛大に記念大会を開催したため、出席と発表を依頼された。小倉は2014年から17年3月まで日本ソロー学会の会長であったので、7月にボストン近郊のコンコードに出張した。発表の際に海外共同研究者であるボストン大学のアラン・ローソン先生が出席し、コメントがあった。また制限時間を越えて活発に質疑応答がされた。 論文については、日本ソロー学会がソロー生誕200周年を記念して英文論集を出版したので、これに寄稿した。字数制限があったため、論文は全米ソロー学会の発表における配布資料の短縮版である。 アメリカ文学史の執筆依頼があり、ピューリタニズムとアメリカの祝祭について原稿を提出した。ピューリタニズムから啓蒙主義の18世紀までは、研究者が少ないので、時代思潮を執筆してほしいという依頼が来る。2018年度にもアメリカ文学史の執筆依頼があり、ピューリタニズムから19世紀半ばのアメリカ・ルネサンス期の文学について書く予定である。 書評は、日本英文学会からの依頼で『英文学研究』に掲載したものである。ソローに関して小野和人著『生きている道-ソローの非日常空間と宇宙』について、エマソンの弔辞を手がかりにソローの『一週間』と『メインの森』を中心に書いた。 2017年度から大東文化大学政治学科准教授の中根一貴を研究分担者に加えた。中根は前回小倉が挑戦的萌芽研究を行った際にも研究分担者を務めた。今回もヨーロッパの啓蒙主義と政治に関して、研究を多様化することが目的である。中根は今年度初めての単著を出版し、3月にはチェコに出張して資料収集をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アメリカでの研究発表は好評であった。まだ2年目だが、今年度も発表を行いたい。発表の際は20ページ程度の完全原稿を準備して配布しているので、英文の論文が増えている。研究分担者が加わり、ヨーロッパの政治についての知識が拡大すると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は昨年小倉が発表した全米ソロー学会におけるソロー生誕200周年記念大会に関して、現在の研究動向や記念講演に関する報告を行う。日本ソロー学会の学会誌『ヘンリー・ソロー研究論集』に、アメリカにおける日本人による発表の内容とその他のアメリカ人による発表、アメリカ・ルネサンス期の研究などを要約する。 出版は、英宝社からアメリカ文学史の改訂版が予定されており、小倉はピューリタニズム、植民地時代文学、リパブリカニズムのセクションを担当する。またトマス・フッカーの伝記とコネチカットに関する歴史の著書を準備する。フッカーの著書はリサーチが終わっているので、できる限り18世紀の科学と宗教のせめぎ合いについて主題を移してゆきたい。
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Research Products
(12 results)