2017 Fiscal Year Research-status Report
現代スペインの諸言語の音声・音韻的現象に関する対比的研究
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16K02635
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Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
福嶌 教隆 神戸市外国語大学, 外国語学部, 名誉教授 (50102794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 信弥 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 教授 (20228448)
浅香 武和 聖心女子大学, 文学部, その他 (20516348)
吉田 浩美 神戸市外国語大学, 外国学研究所, 客員研究員 (70323558)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | その他の言語 / スペインの諸言語 / カスティーリャ語(スペイン語) / カタロニア語 / ガリシア語 / バスク語 / 音声学 / 音韻論 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.合同による研究活動 平成29(2017)年10月8日、新横浜ホール第4会議室にて共同研究の打合せと研究発表会を実施した。A. 共同研究の打合せ:(1) 最終年度に出版する予定の研究成果報告書の具体的な執筆項目について討議した。(2) これまでの科研費による研究成果とあわせて単行本を刊行する可能性を引き続き探った。(3) 最終年度に全国規模の学会(日本言語学会など)でチームによる口頭発表をおこなうことを決めた。 B. 研究発表会:(1) 浅香武和「ガリシア語のヘアーダ。カンバードスでの調査から」。(2) 吉田博美「バスク語サラウツ方言の名詞のアクセント ~世代間の相違?~」。(3) 長谷川信弥「カタロニア語音声の規範の記述について」。(4) 福嶌教隆「外来語がスペイン語の音韻体系に与える影響についての考察2. ―この問題に言及している文献の整理―」。 2.各構成員による研究活動 (1) 福嶌教隆:平成29(2017)年10月7日、神奈川大学にて開催された日本イスパニヤ学会第63回大会において「de ahi' que節の叙法選択について」と題する口頭発表をおこなった。(2) 長谷川信弥:科研費を利用して平成30(2018)年3月9日~21日にバルセロナ大学(スペイン)に出張し、現地研究者との打ち合わせおよび資料収集に従事した。(3) 浅香武和:平成29(2017)年7月24日、8月4日にスペインのサンティアゴ・デ・コンポステラ市にてガリシア語に関する口頭発表2本をおこなった(使用言語:ガリシア語)。詳細は「学会発表」の項に記載。(4) 吉田浩美:平成30(2018)年3月29日、京都大学にて開催されたユーラシア言語研究コンソーシアム2017年度年次総会において「最近のフィールドノートから―スペイン領バスク自治州のバスク語に関する報告―」と題する口頭発表をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
合同による研究活動を予定どおり実施し、構成員間で活発に意見を交換した。スペインの諸言語の音声・音韻的現象をそれぞれの視点から考察し、有意義な成果が得られることを確認した。また各構成員の研究は、著作の刊行、海外を含めた学会での口頭発表、海外出張により海外の研究者との意見交換、資料収集など、きわめて積極的に実施された。本研究のめざすところ、それに至る道のりに関して、2年目に果たすべき作業はおおむね完了し、最終年度で完結させる見通しがほぼ立った。従って「(2)おおむね順調に進展している」との評価を与えて問題ないと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成30(2018)年度は、研究成果をまとめることに集中する。 第1に、研究成果を全国規模の学会(日本言語学会平成30(2018)年度秋季大会など)の大会で構成員全員が発表することを目指す。それに先立ち、平成30(2018)年8月ごろに予備発表の研究会を開催して発表の内容・形式を整える。 第2に、研究成果の報告書の執筆に着手し、年度末に刊行し、関係の研究者、研究機関に配布する。報告書は次の3部で構成される。第1部:「母音」「子音」「アクセント」「イントネーション」など、音声・音韻的概念をカスティーリャ語、カタロニア語、ガリシア語、バスク語それぞれに関して手短に解説する。各言語に半ページを充て、見開き2ページに配置し、ひとめで4言語の特徴が把握てきるようにする。第2部:個別の研究論文。口頭発表した内容をもとにした論文4本。第3部:スペインの諸言語に関する日本における文献一覧。A4版で総計150ページ程度になる見込み。 第3に、この科研費による研究の終了後、これまでの成果をまとめた単行本を出版することを検討し、助成金の獲得や出版社との交渉にむけて活動する。
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Causes of Carryover |
次年度に研究代表者がスペインで開催される国際学会に参加を中心とする海外出張の予定があり、かつ構成員全員による研究報告書を出版の予定で、大きな支出が予想されるため、あえて今年度の支出を抑えて次年度に繰り越すことにした。
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