2016 Fiscal Year Research-status Report
フランス語圏アフリカ手話の記載的研究に基づく言語・知識資源の理論構築
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16K02689
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
亀井 伸孝 愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (50388724)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | フランス語圏アフリカ手話 / 西アフリカ / フランス語圏 / 手話言語 / ろう者 / コートジボワール / アビジャン / ろう者コミュニティ |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年8月~9月に、コートジボワール共和国アビジャンにおいて、手話言語とろう者コミュニティに関する文化人類学的/言語学的調査を実施した。ろう者コミュニティと手話言語の記載的研究、とくに手話言語の映像資料の分析と成果公開のための技術的なワークショップを現地のカウンターパートとともに実施し、映像編集の技術の共有を図った。これらは、本研究計画2年目の成果のまとめに向けた準備と位置づけられており、2017年度の映像資料完成と公開のための準備が整った。 刊行された成果としては、西アフリカの手話言語の歴史と分布に関する査読付き学術論文1件が "Proceedings of the 8th World Congress of African Linguistics" (東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所) に掲載された。また、西アフリカのろう者の生活と労働の概要に関する査読のない論文1件が、『アジ研ワールド・トレンド』253 (特集: TICAD VIの機会にアフリカ開発を考える) (日本貿易振興機構アジア経済研究所) に掲載された。 学会発表としては、日本アフリカ学会第53回学術大会で、フォーラム「アフリカの「障害と開発」」を代表者として企画・開催するとともに、その中で自ら成果の報告も行った。 一般対象の講演として、コートジボワール現地の市民を対象に、3回の学術講演を行った。そのうちの1回はフランス語によるものであり、2回はフランス語圏アフリカ手話によるものである。これらは、現地の協力者に対する成果の還元という意味でも、重要な役割を果たしたものと位置づけることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【研究実績の概要】に記した通り、本研究計画1年目の段階で、最初の現地調査を行うとともに、2年目の成果まとめに向けた準備作業を十分に行うことができた。 また、既存のデータに基づいた論文の刊行と学会での発表を行い、2年目の研究計画の進行のための予備的な作業を実施することができた。 これらに基づいて、おおむね順調に進展しているとの自己評価を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究計画2年目においては、1年目に実施した技術的なワークショップの達成に基づき、具体的な映像資料の整理と分析、成果まとめの作業を進めていく。現地滞在調査の中で現地のカウンターパートとともにこの作業を進め、2年目のうちに完成、公開することを目標とする。 さらに、これらの成果に基づいて、3年目には全体を総括する内容の論文としてまとめるほか、国際学会などにおいてその成果を世界に向けて英語/フランス語により発信する予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は、2回の短期海外調査を予定していた。しかし、2年目に長期海外調査をする機会を得られることが学内で確定したため、2回目の海外調査を中止し、国内での準備作業に当てることとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今回生じた残額については、2年目の長期海外調査の予算の一部として活用する予定である。
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Research Products
(6 results)