2018 Fiscal Year Annual Research Report
Compilation of Japanese-Berber Dictionary with Tifinagh Script
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16K02703
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
石原 忠佳 創価大学, 文学部, 教授 (10232331)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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Keywords | ベルベル語辞典 / ティフィナグ文字 / タリーフィート語 / リーフ山脈 / アトラス山脈 / CSIC |
Outline of Annual Research Achievements |
ベルベル語辞典編纂の準備段階として、平成27年度までにタリーフィート語西部方言としてAlhucemas周辺の言葉を中心に語彙を収集してあったが、今回はMelilla や Nador を中心とした地中海沿岸のフィールドワークを通して、東部地域で話されている語彙を文字化する作業を実施した。 さらに、辞典編纂で以下の音韻を表記する際に、いずれのティフィナグ文字が対応しているのかを確認する最終作業を行い、どの地域のベルベル語変種において、1.有声両唇摩擦音 2.有声歯間摩擦音 3.無声歯間摩擦音 4.無声声門摩擦音と無声咽頭摩擦音が、ティフィナグ文字で表記する際にその素性を区別するのかを具体的に確認できた。 長年取り組んできた『ベルベル語辞典』の編纂にあたって、現時点までに取り上げた項目別語彙は、全体のほぼ70%を完成しているが、「植物」「生物「香辛料」「農業用品」などの項目に、ベルベル語には存在して、日本語にはないものも少なくない。こうした語彙も辞典に取り入れる目的で、平成30年度はリーフ山脈東部のアルジェリアとの国境地帯を中心にフィールド・ワークを実施し、さらなるバリアントを収集できた。 なお作業は以下の手順にしたがって実施した。①スペイン高等学術研究所図書館(CSIC)および在モロッコスペイン教育省付属図書館に蔵書として保存された時代別写本を比較対照し、ベルベル文字の原型データを構築した。②次にモロッコの山岳地帯をリーフ山脈、小アトラス山脈、大アトラス山脈、アンティアトラス山脈の4地域に分割して、それぞれの地域のインフォーマントによる聞き取り調査を拠り所として、音声データベースを作成した。
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Research Products
(10 results)