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2018 Fiscal Year Research-status Report

エニセイ川流域諸民族の言語接触に関する基礎研究

Research Project

Project/Area Number 16K02707
Research InstitutionKobe Yamate University

Principal Investigator

松本 亮  神戸山手大学, 現代社会学部, 准教授 (30745857)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2020-03-31
Keywords言語学 / 文法記述 / 言語類型論
Outline of Annual Research Achievements

ロシアへの調査渡航は、9月にサレハルドへ赴いた。ネネツ語母語話者との文法確認調査、ネネツ語フォークロアの文献資料調査を行った。その際、ハンティ語話者とも面会、簡易的な音声調査を行うことができた。
2018年5月に三重大学にて行われた日本シベリア学会に参加し、シベリア諸民族言語の語学書としての文法教科書について発表を行った。これは、自身が目標としている教科書や辞書作成のための準備的内容であり、扱った言語は、ネネツ語やコミ語、マリ語などのウラル諸語をはじめとし、ツングース諸語などの東シベリアの少数言語にも触れた。語学書の、対象となる読者を意識した教科書や会話集の重要性を具体的に確認した。また、2019年3月に行われた研究会においては、ハンティ語の音声に関する発表を行った。これは夏のロシア調査渡航時に得られた音声データをまとめたものである。ハンティ語は現在ネネツ語と深い言語接触を持つ言語であるという点が重要である。また日本語で書かれたハンティ語の調査データはないため、重要な意義もあり、この後の研究対象を広げられることにも有益である。
2018年12月に出版された『アジアとしてのシベリア、ロシアの中のシベリア先住民世界』という書籍の中に「東西シベリアの言語の境界」という論文を寄稿した。主にサモエード諸語とツングース諸語の民族接触と、言語学的、言語類型論的な視点からまとめたものである。また、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所刊行の定期小雑誌「フィールドプラス」21号(2019年1月)の特集に「ネネツ語の世界」を寄稿した。ネネツ語のアルタイ諸語と共通する言語特徴について平易に解説したコラムである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

新たな所属先へ移動したこと、および非常勤講師業務の変化になどに伴い、フィールドへ行ける時期をうまく見つけられず、今年度については大学業務を優先することにしたため。

Strategy for Future Research Activity

最後の一年となる次年度は、ロシアへの調査渡航の時間を確保する。夏のロシア渡航では、ヤクーツクのエヴェンキ語研究者の協力申請を受け入れてもらるため、エヴェンキ語の簡易文法はほぼ完成体にすることを目標とする。またその後サレハルドへも向かい、これまでの協力者とネネツ語文法とテキスト作成に当てる。大学授業期間は、国内で簡易辞書をまとめる。最後に、また冬場(1~2月ごろか)にサレハルドへ行き、ネネツ語の文法教科書の最終的な完成を前提に詳細を詰める予定とする。学会発表は日本シベリア学会、日本言語学会、論文執筆は、研究報告書は紀要での2~3本を予定している。他の科研の協力者、共同研究員として参加する研究会においても、2回の発表を予定している。

Causes of Carryover

当該年度においては、所属大学および常勤職へ身分が変わるという研究環境の大きな変化があり、大学業務の方を優先し、1年の延長を申請したため。

  • Research Products

    (2 results)

All 2018

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 東西シベリアの言語の境界2018

    • Author(s)
      松本亮
    • Journal Title

      アジア遊学『アジアとしてのシベリア』

      Volume: 227 Pages: 146-157

  • [Presentation] シベリア少数民族語の”語学”教科書の現状と傾 向について2018

    • Author(s)
      松本亮
    • Organizer
      日本シベリア学会

URL: 

Published: 2019-12-27  

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