2017 Fiscal Year Research-status Report
医学生を対象とした人型ロボットによる実践的な英会話教育
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16K02888
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
坂本 洋子 獨協医科大学, 医学部, 講師 (30568944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 信裕 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50362132)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 医学英語 / 人型ロボット / 英語教育 / バーチャルリアリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、医学生に求められる実践的な英語力の向上を図るために、人型ロボットを用いた英会話教材・授業デザインを検討することである。 研究2年目となる平成29年度には、研究初年度に行った調査を元に、調査結果の分析と人型ロボット用アプリの作成を行った。 本年度の前半では、医学生が人型ロボットと医学英単語の発音練習を行った場合と、タブレットと発音練習を行った場合の音声の比較を行った。結果として、タブレットを用いた英単語学習の音声より、人型ロボットを用いた英単語学習の音声の方が、声の大きさが大きく、強勢を付与されている音節が強調されているという傾向が見られた。このことから従来のタブレット学習よりも、人型ロボットとの学習の方が、より相手を意識した発音練習が可能である可能性が考えられる。この結果は、Acoustical Society of Americaで口頭発表を行った。 本年度の後半では、人型ロボットを用いた学習では一問ずつ学習が進むことから、学習の全体の流れを把握することが困難である点を改善するために、人型ロボットとの学習の前に、VR(バーチャルリアリティ)を用いた視覚教材を視聴することを考えた。空間と時間を超えた疑似体験が可能であるというVRの特徴を生かして、低学年の医学生が触れる機会が少ない場面を設定し、海外研修、手術室、診察室のVR教材を作成した。これらのVR教材を専用のゴーグルを装着して、視聴した後に、人型ロボットと関連する英語表現を学習する。VR教材はスクリーンで視聴も可能であるため、教室での活用も可能である。 研究の意義としては、人型ロボットという新たな英語教材の可能性を検討することにより、医学生の英語学習への動機づけや、英語によるコミュニケーション力を育む一助となればと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書に沿った進行を行い、人型ロボット用医学英単語アプリの作成と改善、授業での試用、昨年度行った調査結果の分析を行った。これまで、ロボット用アプリとしては、医学英単語、英会話、診察室での英会話のアプリの作成、関連するVR補助教材として、海外研修、手術室、診察室の動画を作成した。これらの教材を自習や授業で試験的に活用し、学生の習熟度や身振り・視線の測定や記録について、検証を行った。調査報告として、Acoustical Society of America 174th meeting、第12回医療系e-ラーニング全国交流会、第23回大学教育研究フォーラム、第45回獨協医学会で口頭発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまで作成した人型ロボット用教材に改良を加え、医学生を対象とした授業や自習での試用を行い、その効果を検証する。 本年度は研究最終年度であるため、取り組みを纏めて、論文執筆や研究発表を行う予定である。日本医学英語教育学会、外国語教育メディア学会等で発表予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主な理由としては、データ入力や結果の分析のための人件費が、当初考えていた予算を下回ったことと、国際会議への参加を2名で予算化していたが、1名での参加になったことが考えられる。 使用計画としては、本年度の調査やデータ分析、国内外での学会発表や論文掲載費として使用する予定である。
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