2017 Fiscal Year Research-status Report
日本人学習者の語彙・文法の受容・産出能力におけるCEFR基準特性の妥当性の研究
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16K02894
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
宇佐美 裕子 東海大学, 国際教育センター, 准教授 (20734825)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | CEFR / 文法 / 語彙 / 学習者コーパス / 言語テスト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日本人大学生英語学習者の語彙・文法における各CEFRレベルの基準特性の妥当性を受容・産出能力の面から検証している。 平成29年度は、平成28年度に続き、データ収集を行った。受容能力に関しては、「大学入試問題コーパス」に収集された、大学入試問題の語彙・文法4択問題から、CEFRレベルA1からC2の問題を10問ずつ、合計各60問の「CEFR語彙テスト」と「CEFR文法テスト」を作成し、約200名の回答を収集した。さらに、両者のテスト問題の妥当性に疑問があると指摘されたため、Cambridge Englishの過去問題のA2, B1, B2の問題から語彙テストと文法テストを作成し、パイロットテストを行った。 産出能力に関しては、平成28年度に続き、CEFRのレベル別になっているCambridge Englishを用い、約70名のA2からB2レベルのspeakingとwritingの回答を収集し、学習者コーパスを構築した。 平成28年度に続き、学習者コーパスに収集された学習者のspeakingとwritingの各語彙・文法にCEFRレベルをタグ付けするために、研究協力者とともにCEFRレベル自動タグ付けソフトを構築中で、平成29年度中は語彙のCEFRレベル自動タグ付けソフトを構築・改良した。 研究結果を論文にて執筆し、研究発表を行った。 平成30年度は、さらにデータ収集を行い、語彙のCEFRレベル自動タグ付けソフトをほぼ完成させる予定である。また、speakingとwritingの学習者の回答のCEFRレベル付与を外部の評価者に依頼し、日本人大学生英語学習者の語彙・文法における各CEFRレベルの基準特性の妥当性を受容・産出能力の面から考察する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、申請書に記載した当初の計画通りに、概ね順調に進展している。 平成29年度は、平成28年度に続き、データ収集を行った。受容能力に関しては、「大学入試問題コーパス」に収集された、大学入試問題の語彙・文法4択問題から、CEFRレベルA1からC2の問題を10問ずつ、合計各60問の「CEFR語彙テスト」と「CEFR文法テスト」を作成し、約200名の回答を収集して各問題の難易度と弁別度を取得した。さらに、両者のテスト問題の妥当性に疑問があると指摘されたため、Cambridge Englishの過去問題のA2, B1, B2の問題から語彙テストと文法テストを作成し、パイロットテストを行った。 産出能力に関しては、平成28年度に続き、CEFRのレベル別になっているCambridge Englishを用い、約70名のA2からB2レベルのspeakingとwritingの回答を収集し、学習者コーパスを構築した。speakingでは、A2からB2レベルのCambridge Englishのテストの回答を収集し、writingでは「Cambridge English Write & Improve」というウェブサイトを用い、A2からB2レベルの回答を収集した。 さらに、学習者コーパスに収集された学習者のspeakingとwritingの各語彙・文法に、CEFRレベルを手作業で付与していたが、研究協力者とともに、語彙・文法のCEFRレベル自動タグ付けソフトを開発中で、平成29年度は語彙のCEFRレベル自動タグ付けソフトを構築・改良した。 研究結果を論文にて執筆し、研究発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、さらに多くの日本人大学生英語学習者の受容能力と産出能力を検証するために、約100名の学生のデータ収集を目指す。特に、受容能力の改良テストの回答を収集し、各問題の難易度と弁別度を取得する。産出能力に関しても、Cambridge Englishを用い、A2からB2レベルのspeakingとwritingの回答を収集する。 平成30年度は、さらにデータ収集を行い、speakingとwritingの学習者の回答のCEFRレベル付与を外部の評価者に依頼し、日本人大学生英語学習者の語彙・文法における各CEFRレベルの基準特性の妥当性を受容・産出能力の面から考察する予定である。さらに、研究協力者とともに、現在構築中である語彙のCEFRレベル自動タグ付けソフトを改良し、文法のCEFRレベル自動タグ付けソフトの構築の案を練ることを目指す。 また、平成29年度中に収集したデータをもとに、平成30年度は学会発表と論文執筆を行う計画である。
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Causes of Carryover |
(理由) 旅費(外国)に関しては、調査・資料収集のためイギリスのランカスター大学を訪問したが、大学内の資金援助(B計画、約30万)を取得し、科研費を使用する必要なかった。人件費・謝金に関しては、研究協力者へ専門的知識の提供、及び、英文校閲に関して平成30年度に支払いを計画している。 (使用計画) 旅費(外国)に関しては、夏と春に調査・資料収集のためイギリスのランカスター大学を訪問する予定である。人件費・謝金に関しては、研究協力者へ専門的知識の提供、CEFR評価の外部業者への依頼費、論文執筆の際の英文校閲として使用する計画である。
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Research Products
(4 results)