2017 Fiscal Year Research-status Report
第二言語習得におけるやり抜く力と自己コントロール力に関する実証研究
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16K02919
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
田口 達也 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (70411189)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | やり抜く力(Grit) / セルフ・コントロール(Self-control) / 英語学習 / 尺度開発 / 非認知的スキル / 学習動機づけ |
Outline of Annual Research Achievements |
過去の第二言語動機づけ研究では、学習者の学習意欲を高める要因の探索とその実践方法についての研究が行われてきたものの、学習活動を継続するメカニズムが明らかになっていなかった。そのため、本研究ではその心理的メカニズムを調査するための尺度開発とそれを用いた実証研究を行うことを研究課題とした。具体的には、退屈な課題や困難な状況にあっても、目標に向けて努力する力である「やり抜く力(Grit)」と、一時的に魅力的な誘惑や娯楽があっても、目標に向かって自分の衝動的感情や行動をコントロールする力である「自己コントロール力(Self-control)」といった二つの要因に焦点を絞って研究を行うことを目的とした。 今年度は、初年度の研究に基づいて作成された自己コントロール力の尺度を用いて、実証研究を行うことが主目的であった。最初に前年度に作成した尺度を含む質問紙を用いて、総計150人ほどの日本人大学生を対象に量的調査を実施した。回収した質問紙で測定した自己コントロール力の回答に基づき、スコアの上位群と下位群のそれぞれから各数人ずつを抽出し、質的調査としてインタビューを行った。インタビューは半年から1年にわたり複数回実施した。一点、前年から持ち越しとなっていたやり抜く力の尺度作成については、先行研究を精査した結果も踏まえ、領域に特化した尺度として考えなくてもよいという結論に至ったことから、既存の尺度を採用することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インタビュー対象者が少なかったことと、また長期にわたるインタビュー途中で脱落がいたことにより、学習者の行動心理的パターンがあまり明確にならなかった点があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の補充として、再度、少人数を対象にインタビューを行う予定であり、また今まで収集したデータの分析を行う予定である。そして、研究成果の一部を教員免許更新講習等で紹介する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 予定していた学会参加ができなかったため。 (使用予定) 前年度、予定していた学会に参加し、その旅費に使用することと、前年度に不十分であったデータ収集の補充に使用する予定である。
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