2019 Fiscal Year Research-status Report
困難度情報付き絵プロンプトの開発と、その特性のL2発話への影響
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16K02969
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Research Institution | The University of Aizu |
Principal Investigator |
金子 恵美子 会津大学, コンピュータ理工学部, 教授 (30533624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 愛 神戸学院大学, 共通教育センター, 准教授 (10554339)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | L2 speaking / Speaking test / Test prompts / Picture prompts |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は研究代表者の急病により、研究を進めることができなかった。2019年8月に開催されたThe European Second Language Association 年次大会(EuroSLA)で、それまでの研究成果を発表した。2枚の絵プロンプトのセットを4セット(合計8枚)作成し、それぞれのセットの絵プロンプトの難易度同等性を調査したところ、各セットの絵プロンプトの難易度に統計的に有意な差は存在しないことが分かった。ストーリーや設定がほとんど同じ絵プロンプトのペアであったため、難易度の差が存在しなことは仮説通りであったが、調査の結果、難易度の差が、同セット内の絵プロンプトの方が、異なるストーリーの別セットの絵プロンプトよりも大きい場合もあり、さらにデータ数を増やし調査する必要性が示唆された。 2019年12月の「英語教育の新たな方向性 ― New Directions 2019」では、ストーリーの要素、特に伏線の存在と予期せぬ驚きの展開が絵プロンプトの難易度に与える影響について報告した。伏線と驚きの展開の両方がある絵プロンプトの難易度が最も高かったが、絵プロンプトのうち1セットに英単語を使用していたため、その単語を読み上げるだけで絵の説明を省略する学習者が多く発生した。その結果、発話の評価が下がり、その絵プロンプトの難易度が高いことを示す分析結果となってしまった。絵プロンプトで英単語を使うことは、学習者の発話を助けるのではなく、逆に説明を省略することを促し、受験者には不利に働くことがわかり、絵プロンプトはなるべく視覚情報のみに限定する方が学習者の発話能力を正確に測定できることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者が急病により、予定していたデータ収集、分析ができなかった。前年度までは予定通り進んでいたため、1年研究年度を延長することで、対応可能と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は一部微調整をしたプロンプトで英語の発話を録音する予定であるが、発話の録音は対面で行う必要があるため、対面授業が可能になることが前提になる。
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Causes of Carryover |
研究代表者の急病により、予定していた研究計画を進めることができず、今年度に研究費は持ち越す。今年度は、絵の修正を加え再度発話の録音、評価を行い、絵プロンプトの精度を上げる。
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Research Products
(2 results)