2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Picture Prompts with Difficulty Information
Project/Area Number |
16K02969
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Research Institution | The University of Aizu |
Principal Investigator |
金子 恵美子 会津大学, コンピュータ理工学部, 教授 (30533624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 愛 神戸学院大学, 共通教育センター, 教授 (10554339)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | L2 speaking / Speaking test / Test prompts / Picture prompts / L2発話 / スピーキングテスト / 発話を引き出すための絵プロンプト |
Outline of Annual Research Achievements |
1年研究期間を延長したため、2021年度が最終年度となった。今まで、日本人英語学習者の発話を引き出すための絵プロンプト(6コマ漫画)を7セット作成し、パイロットを実施した。作成した7セットは、同等の難易度の絵プロンプト2枚から成っている。現在まで絵プロンプトを使用して収集した発話データの分析から、この7セットの難易度の分布はほぼ想定通りのばらつきがあったが、ある1つのペアのみ、想定していた難易度よりも難しい(つまり発話の評価が低い)ことが分かっていた。
その原因として、漫画の中に英単語を使用したため、それを読み上げることで、そのコマの絵の説明を省略してしまい、その結果発話の評価が下がったのではないかと仮説を立てた。使用した英単語は"No"という一語であったため、削除しても物語の理解には影響がないと思われた。2021年度には、"No"を削除した絵プロントを使い、65名の発話を録音した。今までのデータと統計的につなげるため、修正した絵プロントに加え、各被験者4枚から8枚の絵プロンプトを使って、物語を口頭で語ったものを録音した。被験者のレベルにばらつきを持たせるため、日本人英語学習者に加え、運用能力上位群として留学生16名も実験協力者として参加した。
パイロットで集めたデータを、2名の評価官がIntelligibility(発音・流暢さ)と、Contents(内容)の2つの観点から5段階評価を行い、評価結果をラッシュモデルを用いて分析した。ラッシュ分析の結果、難易度を下げるよう修正した絵プロンプトの評価は、多少高くなった(難易度が下がった)ものの、他の絵プロンプトセットと難易度ランクが入れ替わるほどの大きな変化はなかった。つまり、"No"という英単語の利用が原因ではなく、物語そのものが研究者が想定していたよりも、複雑なものであったということが判明した。
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