2017 Fiscal Year Research-status Report
朝鮮出兵に関する豊臣秀吉文書の年代比定:豊臣秀吉文書の集成にむけた基礎的分析
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16K03016
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
津野 倫明 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 教授 (60335916)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 豊臣秀吉文書 / 年代比定 / 朝鮮出兵 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、朝鮮出兵(文禄・慶長の役)に関する68通の豊臣秀吉文書の年代比定を全体構想としている。2年目にあたる本年度は、慶長の役に関すると推測される5通・現時点では推測が不可能な28通の年代比定にかかわる秀吉文書および関連する副状・諸大名間の書状などの収集と分析を進めた。 1.史料収集:(1)9月、東京大学史料編纂所において承天寺文書・帆足コウ文書などの史料調査(閲覧・筆写)を実施した。また、徴古雑抄(国文学研究資料館所蔵)の複製を東京大学史料編纂所の採訪マイクロのデジタルデータにより入手した。(2)11月、東京大学史料編纂所において栃木県庁採集文書・神屋文書などの史料調査(閲覧・筆写)を実施した。 2.史料分析:(1)昨年度の史料調査と1の作業により、上記68通のうち65通を収集し終えて、年代比定を進めている。(2)年代比定に要する刊本と原文書・影写本などとの字句の異同に関する知見を得た。 3.研究発表:主要な発表は次のとおりであった。(1)「丁酉再乱時の日本の目的と日本側の軍事行動」を学会発表(国際学会、招待講演、韓日関係史学会、ソウル市(大韓民国))することができ、研究論文(「丁酉再乱時の日本の目的と日本側の軍事行動」『韓日関係史研究』第57輯)としても発表した。(2)「文禄・慶長之役諸大名的目的」を学会発表(国際学会、招待講演、ワークショップ「第二届壬辰戦争研究(国際)工作坊 壬辰戦争与日本、朝鮮、明朝 三国政治生態」、済南市(中華人民共和国))することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
朝鮮出兵に関する68通の豊臣秀吉文書の年代比定をすべく、交付申請書の「研究実施計画」に記載した史料調査(おもに東京大学史料編纂所)をほぼ計画どおり実施している。こうした計画の着実な実施により、これを前提とする史料分析も進んでいるので、本研究はおおむね順調に進展していると評価してよいと判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
史料調査はおおむね順調に実施されてきたといえる。年代比定の対象とする68通のうち65通は調査等により把握した。このような進捗状況をふまえるならば、3年目にあたる平成30年度も「研究計画調書」の研究計画を堅実に実施してゆき、補完的な史料調査を早期に終え、68通の年代比定という所期の目的を達成すべく分析に尽力することが最善の方策であると判断している。
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Research Products
(5 results)