2018 Fiscal Year Research-status Report
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16K03050
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
福留 真紀 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 准教授 (60549517)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 日本近世史 / 徳川幕府 / 将軍側近 / 幕府官僚 / 酒井雅楽頭家 / 松平定信 / 松平信明 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度も前年度と同じく、江戸時代後期の将軍側近と幕府官僚の分析のため、史料調査を行った。 具体的には、大和郡山市教育委員会(奈良県)で、将軍側近柳沢家関係史料を、首都大学東京図書情報センター(東京都)で、当該期の「老中借写日記」を、茨城県立歴史館で、一橋家関係史料、前橋市立図書館(群馬県)で、酒井雅楽頭家関係史料、豊橋市美術博物館(愛知県)で、「吉田藩日記」、天理大学附属天理図書館(奈良県)で、松平定信の家老服部半蔵の日記「世々之姿」の調査を実施した。 加えて、研究成果を自治体の企画で紹介する機会にも恵まれた。9月24日には、群馬県前橋市の主催した、第6回前橋四公教養講座(場所:酒井雅楽頭家菩提寺・龍海院本堂)で「前橋藩主 酒井忠挙 ―御曹司の挫折とプライド」という演題で講演した。また、山梨県甲府市のこうふ開府500年記念事業実行委員会主催の「こうふ開府500年記念事業リレーフォーラム2018 近世」において、基調講演「柳沢吉保とその時代」を行い、柳沢家にゆかりのある自治体の首長(山梨県北杜市・甲府市、埼玉県川越市、東京都文京区、奈良県大和郡山市)とともにパネルディスカッション「柳沢氏が築いた歴史と文化 ~各地に残る足跡~」のパネリストを務めた。 ほかに、論考「名門・酒井雅楽頭を再興した凄腕家老」が、文芸春秋編『日本史の新常識』(文藝春秋、2018年11月20日)に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、新たに、松平定信の家老服部半蔵の日記「世々之姿」の調査を始めたこともあり、広範囲での調査を行うこととなった。このまま分析を進めれば、新しい研究の展開が期待できると考えている。また、これまでの研究成果を2つの自治体の企画で紹介することができ、論考も刊行することができた。充実した成果が上げられたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の内容については、大きく変更することはない。 今年度は、「世々之姿」をはじめ、大和郡山市教育委員会所蔵の将軍側近柳沢家関係史料、豊橋市美術博物館「吉田藩日記」など、新しい史料の分析に取り組み始めたので、新たな切り口から、研究を発展させたいと考えている。 これまでと同様に、学会・研究会報告、市民向け講演会、書籍の執筆など、研究成果の公表に努めたい。
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Causes of Carryover |
(理由) 次年度使用が生じたのは、所属研究機関が計画提出時と異なり、東京になったことにより、当初申請していた東京出張が必要なくなり、それにともなう必要経費の違いが関係している。 (使用計画) 次年度は最終年度に当たるため、研究の総括を行うことになる。それについて、これまでの調査では、不十分な部分を補う史料調査を行う必要があり、その経費に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)