2016 Fiscal Year Research-status Report
日本中世・近世都市郊外の歴史的環境形成に関する基礎的研究
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16K03063
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Research Institution | Nara University |
Principal Investigator |
河内 将芳 奈良大学, 文学部, 教授 (40340525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下坂 守 奈良大学, その他部局等, 非常勤講師 (10150038)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 八坂神社 / 祇園社 / 清水寺 / 日記 / 絵図 / 地図 / 古文書 / 古記録 |
Outline of Annual Research Achievements |
八坂神社に所蔵される古文書・古記録の原本調査を八坂神社文書編纂委員会と協力しておこなった。具体的には、研究代表者が2013年度~2015年度にかかる科研費・基盤研究(C)「日本中世・近世寺社古記録成立に関する基礎的研究」の調査・研究の一環としてとりくんできた八坂神社所蔵の古文書・古記録のうち、着手できていなかった明治時代以降の社務日記の調査および撮影をおこなった。 また、これまで調査・撮影をすすめてきた古文書・古記録の整理もすすめた。これらの作業とあわせて、祇園社役者であった狛氏が書きつづけてきた日記類の調査および撮影をおこない、その翻刻作業をすすめた。さらには、祇園社執行一族でもあった宝光井家の文書・記録の調査および撮影をおこなった。 今年度で特筆すべきは、祇園社社代であった上河原家の文書・記録・絵図などの調査および撮影をおこなったことである。とくに大きな画面の撮影が必要である絵図については、プロのカメラマンによる写真撮影をおこなった。八坂神社に残されていた絵図と重ね合わせることによって八坂神社周辺の近世における状況がしだいにあきらかになりつつあることは大きな実績といえよう。 いっぽう、上記の研究と並行して、研究代表者・研究分担者がその一員として加わる清水寺史編纂委員会による事業に添加するかたちで、清水寺に所蔵される古文書・古記録および絵画史料の調査・研究をおこなった。また、成就院役人が記した膨大な量におよぶ『成就院日記』の翻刻作業もすすめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
八坂神社および清水寺での古文書・古記録・絵図などの原本の調査を定期的におこなうことができている点が重要である。これは、調査先の八坂神社および清水寺の関係者のご理解・ご協力があってのことであり、たいへん感謝している。次年度もひきつづき、細心の注意と敬意をはらいつつ、調査・研究をすすめていきたいと思う。なお、調査・撮影した史料の翻刻作業も順調にすすんでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
八坂神社および清水寺において、まだ十分に着手できていない分の古文書・古記録・絵図の調査・研究をすすめていきたいと思う。また、八坂神社および清水寺以外の東山に所在する神社・寺院での調査もすすめていきたいと考えている。あわせて、目下すすめている史料の翻刻作業もさらに進展させていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
必要な関連書籍が予想外に必要となったためと作業の進捗状況を鑑みて、次年度分の関連書籍を前倒しで購入したためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前倒しで購入した関連書籍を念頭に適切に執行していく計画である。
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Research Products
(11 results)