2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K03065
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| Research Institution | Mitsui Bunko |
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Principal Investigator |
村 和明 公益財団法人三井文庫, 社会経済史研究室, 主任研究員 (70563534)
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| Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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| Keywords | 天皇・朝廷論 / 都市史 / 商業史 / 近世史 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近世の朝廷が、幕府や朝廷構成員などから期待される役割を果たす上で、どのような基盤を都市（特に京都）に有していたのかを、複数の事例から明らかにすることを目的とする。平成28（2016）年度においては、中途の採択であり時間が限られていたが、中核的な史料群として二条家文書（慶應義塾大学文学部古文書室蔵）および土山家文書（国立国会図書館蔵）の2つ、また論点として（イ）経済的基盤・（ロ）組織的基盤・（ハ）朝廷内部の経済関係・（ニ）朝廷への都市的基盤の規定性、の4つを設定し、基礎的な人名や事項の情報を収集することを計画した。上記の2つの文書郡については、基礎的な情報を収集し、鋭意分析にとりかかった段階であるが、当初の予想通り、二条家文書については論点（イ）経済的基盤・（ハ）朝廷内部の経済関係、土山家文書については論点（ロ）組織的基盤・（ニ）朝廷への都市的基盤の規定性について、それぞれ豊富な情報を含むことが確認できている。
また、朝廷が政治化していく幕末段階における上記の諸論点に関わる副次的な調査として、福井市立郷土歴史博物館蔵の越葵文庫・越前松平家家譜、福井県立図書館蔵松平文庫の調査を、研究協力者の協力により行った。また関連して、勤務機関である三井文庫所蔵の史料群においても、近世の三井家と朝廷の諸関係についての検討を、関連する諸史料群の調査と連動させて行い、上述の主要2史料群および論点（イ）経済的基盤・（ニ）朝廷への都市的基盤の規定性に関わる諸事実の発掘を進展させ、派生的な論考を発表することができた。
全体について、参考図書類の収集および関連する研究会等への出張については積極的に行っている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二条家文書・土山家文書をつうじた基礎的な人名情報や事実関係の発掘については、計画よりやや進捗していないと判断されるが、反面で付随的な幕末期の史料調査や、三井文庫史料に見出される関連諸事実についての史料調査を進めることができたので、全体としてはおおむね予定通りの進捗と考えてよいものと思われる。
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| Strategy for Future Research Activity |
さしあたり二条家文書および土山家文書の分析に傾注する。いずれも本研究のような視座からは本格的に検討されていない史料群であり、本研究において重要な人名・事実等基礎的な事項を、新たに豊富に見出すことが十分に期待できる。また三井文庫所蔵史料についても、特段の支出を要さない作業であるが、上記の調査をふまえた情報の抽出を行ってゆく。これらを踏まえ、従来の研究成果の収集・分析や、他の史料群の調査を進めていく予定である。
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| Causes of Carryover |
その他の費目から支出すると予想した、出張先の史料所蔵機関における資料複写費がほとんど発生しなかったため。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
史料調査および史料収集を積極的に行う。
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