2017 Fiscal Year Research-status Report
日本アフリカ関係史から見た20世紀中葉の核兵器廃絶運動の国際的展開に関する研究
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16K03096
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
溝辺 泰雄 明治大学, 国際日本学部, 専任教授 (80401446)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 平和運動 / ガーナ / クワメ・ンクルマ / アクラ会議 / ケニア / 核兵器廃絶 / 高良とみ / 積極行動(Positive Action) |
Outline of Annual Research Achievements |
研究2年度目にあたる平成29年度の研究活動は、(a)国際学会における英語による研究中間報告と(b)国内外における関連史資料の収集活動、さらに(c)英語による予備論考の執筆と研究誌への投稿(掲載)の3点に集約される。 まず(a)については、平成29年10月にガーナ大学アフリカ研究科で開催された第2回アフリカ・アフリカ学会学術大会における研究報告をおこなった。本報告は、本研究の主たる考察対象である1963年の「爆弾なき世界のためのアクラ会議」を中心とした20世紀中葉のアフリカを中心とした核兵器廃絶に向けた国際運動の態様について、主に同会議に参加した3名の日本人の手記や論考、新聞記事などを通した分析に基づき検証したものである。 (b)については、平成29年8月から9月にかけてケニアおよびガーナで史資料調査を実施した。ケニア国立公文書館では、ガーナで開催された諸会議にケニアから参加したギコニャ・キアノ(Gikonya Kiano)氏に関する資料調査を実施し、1960年にガーナで開催された「平和と安全保障のための積極行動会議」関連の史料群を収集した。さらにガーナ国立公文書館における資料調査では、核兵器廃絶・平和運動に関する史料群および現地発行新聞を調査し、同国の主要紙の一つであるThe Daily Graphicの1960年4月09日号に「積極行動会議」に日本から参加していた高良とみと思われる女性の写真が掲載されていたこと、さらに5月26日号に20ページ以上に渡って日本に関する特集記事(This is Japan)が掲載されていたことを確認し、該当箇所を写真撮影によって収集した。 (c)については、(a)の中間報告の内容に(b)で得た史資料による情報を補足して加筆修正した英文論考を『明治大学国際日本学研究』に投稿し、査読の結果、掲載が許可され平成30年3月に出版されるに至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究2年度目にあたる平成29年度は、研究初年度末に設定した、国際学会での中間報告、関連史資料の調査・収集、さらに国内研究誌への予備論考の投稿(掲載)の3つの目標を全て達成することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度にあたる平成30年度は、当初目的である、英語による最終報告書の作成および海外学会(現地への研究成果の還元という視点からも可能な限りアフリカで開催される学会)での研究報告、さらに、日本語による研究論考の執筆(日本アフリカ関係史の研究成果の国内への還元)に注力する。海外学会については本年度12月にナイジェリア大学ンスカ校で開催される国際会議への出席ヘ向けて、現在調整中である。
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