2018 Fiscal Year Research-status Report
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16K03161
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
芝田 幸一郎 法政大学, 経済学部, 准教授 (50571436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮野 元太郎 大阪観光大学, 国際交流学部, 講師 (30560586)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アンデス / 中南米 / 考古学 / セトルメントパターン / ドローン / 形成期 / ペルー / 踏査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ペルー北部アンカシュ県の太平洋側に位置するネペーニャ川下流域を調査地とし、遺跡踏査とドローンによる空撮および三次元測量、そして光波測量を組み合わせることによって、アンデス形成期における後背地研究の進展を図るものである。申請時における2018年度(三年目)の調査計画は、「まとめと成果発表」であり、より具体的には、①2016-2017年度に実施したフィールドワークでの採取データを総合・分析すること、②2013年度までに代表者が実施してきた発掘調査の成果と総合すること、③学会発表および論文発表を行うことであった。③の成果発表を中心におおむね計画通りに実現できたが、②に関して次年度に補足的な分析が必要となった。 2016-2017のフィールドワークでは、調査地であるネペーニャ川下流域の南岸にて都市的遺跡複合スーテ・バホを発見している。この遺跡複合と、2002年から2013年までに代表者が発掘した2つの神殿遺跡セロ・ブランコおよびワカ・パルティーダとの関係を、ネペーニャ川中流域や近隣河谷など他地域の事例と比較しながら検討した。その際に、2つの神殿遺跡の絶対年代を測定したコンテクストには時期的な偏りがあるという問題が浮上した。具体的には、都市的遺跡複合スーテ・バホと同時期であると思われる形成期後期の神殿建築の年代測定が不足していた。このため追加で年代測定をすべく、形成期後期前半と形成期後期後半に対応する可能性の高い遺構から出土した遺物を選出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の申請時の計画では、①2016・2017年度フィールドワークのデータ分析、②既発掘成果との総合、③学会発表・論文発表であったが、おおむね計画通りに実現した。しかし②・③の作業プロセスにおいて、既発掘試料の追加分析(年代測定)の必要性が出てきたため、研究期間を1年延長することになった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の調査地域内にて、代表者が2002年以来継続的に発掘調査を実施してきた2つの神殿遺跡の、形成期後期に対応する建築フェイズの試料を年代測定する。これを、2016-2017年に発見した都市的遺跡複合や、隣接地域で米国の研究者らが発掘した同タイプ遺跡複合との関係解明の一助とする。
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Causes of Carryover |
(理由) 本研究の2016-2017年度調査で発見した遺跡と、2002年以来継続的に発掘している遺跡との関係を探るにあたって、後者の年代測定を充実させる必要が生じた。しかし2018年度内に測定結果を得ることは不可能であったため、研究期間を延長して次年度に持ち越すこととなった。 (使用計画) 代表者が過去に発掘した試料5点を、東京大学放射性炭素年代測定室にて年代測定する際の測定実費として使用する。
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Research Products
(6 results)