2019 Fiscal Year Annual Research Report
From the rural communities at their terminal stage to the new localities/regions at their formative process in Japan today
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16K03202
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
松尾 容孝 専修大学, 文学部, 教授 (20199764)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 浦 / 海運 / 地域特性 / 開発 / ツーリズム / 文化 / 地域資源 / 収奪 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度、3つのテーマに取り組み、2つについて成果を得た。 第一は、北陸日本海の浦集落の構造と動態に関する比較考察であり、2016年度以来調査を行ってきた。2019年度、4月18-20日、6月6-8日に現地調査を行い、近世・近代前期の海運・漁業活動とその衰退による地域変動、日本遺産指定で盛んになった地域振興活動における文化遺産への注目の仕方、事業者と活動を支えた地域社会の仕組みなどを指標に、一帯の浦集落を対比的に捉え、2019年6月26-28日にインドネシアデンパサルで開催されたソーシャルキャピタルのワークショップにおいて発表した。 さらに、2019年8月21-23日、9月3-5日、9月17-19日、2020年3月12-16日に資料館と現地の調査を追加し、2020年3月に「北陸日本海浦集落の動態と構造-生業の地域内条件に留意して-」『専修大学人文科学研究所月報』304、pp31-71を刊行した。 第二は、ツーリズムにより地域振興を図る現代の地域では、地域条件により、推進可能なツーリズムが異なる。また市町村合併や外部資本との接触により、不可避的な地域変容が進行する。推進可能なツーリズムのタイプを規定する地域要件について2008~2010年度の基盤研究時から長く追究してきたが、2019年に関東近在への現地調査を追加して、「ツーリズムの地域要件と新たな地域」『専修人文論集』106、pp33-85を刊行した。 第三に、私は現代先進国の農村・村落が農村・村落としての地域特性を能動的に活用して存続の地歩を固める現象に強い関心がある。実例の渉猟と比較研究をフランス・ドイツ・イギリス・日本で行いたい。これを可能にするため、2020年2月22-28日にストラスブール大学とフライブルク大学の地理学科を訪ね、数か月以内の滞在調査を応諾してくれるアカデミックスタッフを確保した。
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