2018 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical study of the process of collective creation in folk performing arts
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16K03232
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Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
俵木 悟 成城大学, 文芸学部, 教授 (30356274)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 民俗学 / 民俗芸能 / 創造性 / アート / 神楽 / 無形文化遺産 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、本研究課題の最終年度として、これまでの一般理論研究、および実証的調査研究を継続するとともに、年度後半には成果のまとめと公開・発表を行った。 本研究課題の成果を共有するために、二つのシンポジウムを企画・コーディネートした。一つは、一般理論研究の成果も踏まえた民俗芸能学会平成30年度大会におけるシンポジウム「民俗芸能研究の新しい視点に向けて」で、若手の民俗芸能研究者3名とともに、この分野の研究の従来とは異なる理論的展開の可能性について討議した。もう一つは、より一般のオーディエンスに向けて、本研究課題の調査対象であった備中神楽の演者等にも協力してもらい、民俗芸能の新たな創作的活動を紹介するシンポジウム&公演「変わりゆく伝統芸能」を京都芸術センターと協力して実現した。 実証的調査研究の成果としては、まず鹿児島県の大里七夕踊の事例について、参加する青年団が保管していた活動日誌や出納帳などの記録の収集と読解を進め、それを元に、大正以降の社会状況に合わせた改革の取り組みを村落研究学会の研究会にて発表した。その内容は2019年度刊行予定の論集に寄稿する論文にまとめる予定である。岡山県の備中神楽の事例については、若手太夫たちの稀少演目の復活上演や、高校生による地域振興の一環としての上演会などの活動を調査し、新しい世代への継承の工夫他の科研の研究課題の成果と合わせて、2019年度刊行予定の論集に論文を寄稿した。島根県の石見神楽については、神楽の上演に不可欠な道具製作や演出技法などの近代以降の開発についての資料収集を主として行った。この成果は、地域社会における芸術的創作活動の実践例として、あらたな観点から引き続き調査を継続する。
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Research Products
(7 results)