2016 Fiscal Year Research-status Report
ソロモン諸島におけるバハーイー教徒の信仰生活と宗教共生に関する人類学的研究
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16K03236
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石森 大知 神戸大学, 国際文化学研究科, 准教授 (90594804)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | バハーイー教 / マイノリティ / 宗教共生 / 信仰生活 / 改宗 / ソロモン諸島 |
Outline of Annual Research Achievements |
ソロモン諸島を含むメラネシアのバハーイー教を扱った先行研究は限られており、より具体的かつ詳細な調査項目を定めるためには関連する基礎的資料の収集・検討が欠かせない。28年度の4月から7月にかけてバハーイー教に関する基礎的資料を広く収集するとともに、バハーイー教の歴史や信仰のほか、バハーイー教徒とマジョリティ社会の軋轢や共生に関する検討を行った。 8月には、ソロモン諸島の首都ホニアラおよび村落部において実地調査を実施した。なかでもソロモン諸島におけるバハーイー教の宣教史と、バハーイー教の特殊かつ高度に組織化されたピラミッド型の運営機構の制度に着目した。管理部門の下部組織として国レベルでは全国精神行政会が位置づけられ、さらに地方レベルでは、地方精神行政会が祝祭や結婚式、葬儀などの調整を通して各地のバハーイー共同体の運営を担っている。これらの制度的・組織的な側面についてホニアラのバハーイー教本部で聞き取り調査、文献資料の収集を実施するとともに、村落部においてその実態調査を行った。さらに、バハーイー教徒の居住エリアの周辺に住む人びとの調査、とくに主流派から離脱した新宗教についての調査を実施し、ソロモン諸島における宗教動向の理解および考察を行った。 帰国後、9月から1月にかけて、収集した民族誌的資料の整理をしたうえで予備的な論文を執筆・投稿するとともに、次年度以降の調査計画の具体化を行った。さらに、2月から3月には関連文献の検討および年度報告用の原稿執筆を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した「研究の目的」「研究実施計画」の通りに、文献研究およびソロモン諸島における資料の収集・分析が進んでおり、ほぼ当初の計画に沿う形で研究が進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに実施した調査・研究において収集した資料を整理・考察すると同時に、研究成果を積極的に公表するため、学術論文の執筆および学会発表の準備を計画的に進める。29年度は、これまでの調査・研究で見出した課題を踏まえてより具体的な調査項目を設定するとともに、とくにバハーイー教への改宗過程と信仰生活に注目し、調査・研究を進める計画である。
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Research Products
(7 results)