2018 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of a theory on civil law norms : for the citizons' rule formation by plural methods
Project/Area Number |
16K03387
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大村 敦志 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (30152250)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 民法 / 規範 / 法生成 / 市民社会 / 立法 / 判例 / 契約 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は民事規範の生成過程を多面的に考察することを目標としてきた。その際の具体的検討対象としては、立法、判例、社会変化、契約実務を念頭に置いていたが、実際に研究を進めた結果、立法、判例、社会変化については一定の成果を得ることができた。これに対して、契約実務については完成には至らなかったものの、方法論の検討及び施行は行うことができた。 本研究の具体的成果としては、立法・判例・社会変化の相互関係を実例に即した形で解明したことが挙げられる。具体的には、消費者法の領域において、1)立法・判例の相互作用による法生成に社会変化がどのように影響したか、2)先行立法から後発立法への影響作用による法生成に社会変化がどのように影響したか、3)家族法立法において、国際関係や文化的要因がどのように影響したかにつき、ある種のパターンを析出することができた。 本研究のもう一つの課題であった解釈方法論・立法方法論の検討についても、債権法改正や家族法に関するいくつかの改正等をふまえて、今後の方法論について一つの方向性を見出すことができた。 このような検討を通じて、今後の課題としては、個別の立法の生成過程を辿るのではなく、ある時期の日本社会における法生成を総体としてとらえ、その態様を示すとともに、そのメカニズムを理解するための枠組みを設定することが、社会と法の関係をより深く理解する上で重要であると考えるに至った。このことが自体も本研究の成果である。
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Research Products
(3 results)