2018 Fiscal Year Research-status Report
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16K03391
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
早川 眞一郎 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (40114615)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 生殖補助医療 / 代理懐胎 / 法的親子関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度に引き続き、国際的生殖補助医療(国際的代理出産を中心とする)をめぐる法的規律(生殖補助医療実施自体の規律およびそこから生まれた子の親子関係等の法的地位の規律)について、文献を収集するとともに、このテーマを検討するために各国の研究者等との議論をおこなった。まず、ジュネーヴに本部のあるInternational Social Service(ISS:国際社会事業団)の国際的生殖補助医療に関するプロジェクトのワーキンググループの一員として、メール等によるやりとりや、2018年12月にハーグ(オランダ)で開催されたワーキンググループ会合への参加を通じて、各国の専門家及び関連国際機関(国連及びハーグ国際私法会議)における担当者等と議論を行った。このISSのワーキンググループでは、国際的代理出産に関するルール(原則)の作成を進めており、2019年度にも会合を開いて、その作業を継続する。このワーキンググループメンバーとの議論を通じて、世界の最新での情報を入手することができ、またアジア地域も含めて人的なネットワークを強化することができた。また、ケンブリッジ大学のJens Scherpe教授を中心とする研究グループにも参加し、日本における国際的生殖補助医療の法的規律の状況について英文での報告を提出した(この報告は2019年度中に出版される予定の同教授編集の著書に収録される)。2019年度には、このScherpe教授のグループによる国際会議がケンブリッジで開催されさらに議論を進める予定であり、そのための準備を行った。また、2018年12月には慶應義塾大学で開催された生殖補助医療の間するワークショップに参加し、リヨン第3大学のGuillaume ROUSSET教授との議論を通じてフランスにおける状況を知ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ISS(国際社会事業団)の国際的生殖補助医療に関するワーキンググループへの参加、及びScherpe・ケンブリッジ大学教授を中心とする研究グループへの参加等を通じて、各国の理論・実務の最新の状況を知ることができてきている。日本法の状況の分析も進めており、比較法的な観点から研究成果をまとめるための準備が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き、各国の専門家とのネットワークを活かし、また文献の渉猟を通じて、最新の情報を取得しつつ、国際的生殖補助医療の法的規律方法につき、比較法的な視点を中心に検討を進める。また、ISS(国際社会事業団)のワーキンググループでの議論に参加することにより、今後の国際的ルールを作成する作業にも従事する。
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Causes of Carryover |
代理懐胎に関する国際会議が2019年度に2回開かれることになったため、その参加のための費用として若干の金額を次年度(2019年度)使用のために留保することにしたため。 今年度分と合わせて、国際会議参加その他の費用として活用する予定である。
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