2018 Fiscal Year Research-status Report
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16K03406
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
松久 和彦 近畿大学, 法学部, 教授 (90550426)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 夫婦財産制 / ヨーロッパ / 民事法学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、夫婦の財産関係をめぐる法的課題に対処するための新たな提言に向けた基礎的研究を目的としている。その前提として、比較法研究を中心に行う計画であり、本年度は3年次にあたる。 今年度は、前倒しで検討を開始した配偶者相続権に関する総論的考察及び各論的考察を行った。特に今年度は、婚姻の死亡解消時における夫婦財産の清算と配偶者相続権の捉え方について、ヨーロッパ各国の具体的な法制度の分析を行った。日本では、夫婦の財産関係の清算と生存配偶者の相続の問題を一元化し、相続の問題として処理しているが、ヨーロッパ各国ではどのような制度になっており、どのような点が議論されているのかを把握する作業をおこなった。その結果、夫婦の財産関係の清算と生存配偶者の相続の問題を一元化する国でも、両者を区別する議論があること、また両者を区別して二元化する法制度を採用する国でも、手続き等において工夫が見られ、各国が採用する法制度を導入した理由や、運用上どのような点に留意しているか、問題意識が共通している点があることなど、日本の法制度を考える上で、検討すべき課題、視点等を明らかにすることができた。 また、これまでの研究で一定程度明らかになってきた、ヨーロッパにおける婚姻中における夫婦の財産関係についての議論状況についても、文献の分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、前倒しした内容もあるものの、概ね研究実施計画に基づいて研究を実施した。論説の公表等研究業績をあげることができ、概ね順調に遂行している。次年度は最終年度であることから、研究実施計画に基づいて研究を遂行し、研究のとりまとめに力を入れていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度の研究実施計画に基づいて、計画的に研究を遂行する。学会報告等の機会を得ることができれば、積極的に報告する。また現地調査も計画通り実施する。
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Causes of Carryover |
(理由) 購入予定文献の発売延期や物品調達の効率化等により差額が生じた。 (使用計画) 平成31年度の研究実施計画に基づき研究を推進し、現地調査に関わる費用の支出等として執行する。
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Research Products
(3 results)