2021 Fiscal Year Research-status Report
性的マイノリティの人権救済をめぐる韓国の「積極司法」の構造的特質に関する研究
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16K03444
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岡 克彦 名古屋大学, 法政国際教育協力研究センター, 教授 (90281774)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | トランスジェンダー / マイノリティ問題 / 司法積極主義 / 韓国法 / 司法の政治化 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度につづき、コロナ禍の影響で現地韓国へのフィールドワークがまったくできなかった。オンラインを通じたデジタル情報で暫定的な研究を進めていた。まずは慰安婦問題に対する重要判例が2件あり、1件については判決文の翻訳および同判決の意義とこれまでの慰安婦問題状況での位置づけについて解説を施した論稿を公表した。 また、トランスジェンダーによる性別変更および良心的兵役拒否など、マイノリティ問題をめぐる韓国司法の動向について「積極司法」のテーマに即して、一般の下級法院での動向を法的に分析を試みて、シンポジウムの報告を行った。また、マイノリティ問題に対する大法院の判例を分析を通じて、憲法適合解釈のあり方について日本憲法学のそれとの比較から韓国法の特徴を析出した。この点については研究会報告を行った。今後、この2つの研究について学会誌あるいは本学紀要に公表するべく目下、執筆作業に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一番の問題は、コロナ禍の影響で現地でのフィールド調査がまったく不可能なことである。改善してくれることを何よりも願っている。本年度は、調査可能な箇所を模索して、研究を進めてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度のコロナ状況を見計らって、現地調査の可否を見守っていきたい。研究事業の再延長の申請を行い、その承認を頂いたので、本年度は可能ならば、研究対象国たる韓国に向かって、中断している調査を再開させたいと目論でいる。
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Causes of Carryover |
本年度は、コロナ禍でほぼ現地フィールドワークが実施できなかったことから、大幅に旅費の残額が生じた。次年度は、このフィールドワークを本格的に稼働させることを目指すことにする。
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