2019 Fiscal Year Annual Research Report
異なった種類の選挙において候補者要因が投票行動に及ぼす影響
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16K03464
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
岡田 浩 金沢大学, 法学系, 教授 (60272019)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 候補者 / 選挙 / 投票行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、無作為抽出した金沢市の有権者2,564人に対して、統一地方選及び参院選に関する郵送による意識調査を2019年8月から9月にかけて行った。現在、この調査のデータの分析を進めているが、有権者は、参院選の候補者よりも地方選の候補者について、様々な点においてより豊富なイメージを持っていることや、候補者と直接接触した経験のある有権者が地方選においてより多いことがそのことに影響している可能性があること、などが明らかになっている。これらの研究成果については、今後、全国学会での報告や学術雑誌への論文掲載などの手段で発表することを予定している。 この研究課題(2016-2019年度)においては、研究期間中に3回の有権者意識調査を金沢市において行い、異なった種類の選挙(衆院選・参院選・知事選・県議選・市長選・市議選)の候補者についての意識やその投票行動への影響を調査・分析してきた。 候補者のイメージについての自由記述式設問への回答をテキスト分析したところ、現職候補や首長選の候補など有権者が持つ情報量が多い候補者についてのイメージは、仕事、能力、人柄など候補者の「中身」に関するものが多いのに対して、新人候補や議員選の候補など情報量が少ない候補者についてのイメージは、政党、政策、属性、経歴など外形的な特性に関するものが多いことが明らかになった。また、性別などの候補者の属性に関するイメージや多選の是非などの争点に関するイメージが投票行動と関係していることなど、候補者によるイメージの違いやその投票行動との関係について、先行研究では指摘されてこなかった新しい知見を得ることが出来、2つの全国学会において学会報告を実施するとともに、1つの全国学会誌に論文を掲載した。
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