2018 Fiscal Year Annual Research Report
Politics of uncertainty in risk governance
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16K03471
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
土佐 弘之 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (70180148)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 不確実性 / リスク / 人新世 / アイデンティティ・ポリティクス / ポスト・ヒューマニズム |
Outline of Annual Research Achievements |
リスク・ガバナンスにおける不確実性の政治学の射程に入るイシューは多岐にわたるため、この年も主として文献調査を通じて問題の整理を行いながら理論的考察を深め、その成果の一部を論文として公刊した(下記参照)。Ⅰ番目の論文は、ネオリベラル資本主義の危機に起因する不平等の悪化、それに伴う制度としてのデモクラシーの危機(特に右翼ポピュリズムの台頭)、リベラル国際秩序の危機について、グローバル・リスクに関する俯瞰図的な整理を行ったもの。2番目の論文は、ヘーゲル的歴史哲学を乗り越えるという欲望が反映された「近代の超克」論に見られるアイデンティティ・ポリティクスに含まれる危険性について論じた。3番目の論文は、ネオリベラル・グローバリゼーションに伴うさまざまなリスクについての総説。加えて、「ポスト・ヒューマニズム時代における不確実性の政治:人新世という危機における集合行為問題」という論攷を執筆中で、近刊予定。
1、「序論 体制移行と暴力 世界秩序の行方」『国際政治』194号、2018年、1-13頁. /2,"The Pitfalls in the Project of Overcoming Western Modernity: Rethinking the Lineage of the Japanese Historical Revisionism," in Japanese Political Thought and International Relations. edited by Atsuko Watanabe and Felix Rosch (Rowman & Littlefield, 2018), pp.167-181./3、「新自由主義的グローバル化は暴力をもたしているか」日本平和学会編『平和をめぐる14の論点 平和研究が問い続けること』法律文化社、2018年、39-57頁.
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Research Products
(2 results)