2020 Fiscal Year Research-status Report
多変量Beveridge-Nelson分解の拡張と景気分析への応用
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16K03605
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
村澤 康友 甲南大学, 経済学部, 教授 (00314287)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | トレンド / サイクル / 自然率 / ギャップ / 単位根 / 共和分 / ベクトル誤差修正モデル / ベイズ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題に関連する2020年度の研究実績は,査読付き国際学術誌掲載論文1本である.ただし当該論文は2019年3月に掲載が決定し,2018年度の実施状況報告書にも既に記載している.論文の内容は,イギリスのインフレ期待の区間データに混合正規分布を当てはめ,インフレ期待の分布をベイズ推定したものである.インフレ・ギャップ(インフレ率-インフレ期待)はGDPギャップや失業率ギャップと相関するので(フィリップス曲線),インフレ期待の計測値はマクロ経済時系列のトレンドとサイクルへの分解に有用であり,実際にそのような研究が近年は増えている.またインフレ期待の形成メカニズム自体も経済学において重要な研究対象であり,本研究の手法で区間データから求めたインフレ期待の計測値は,そのような研究にも利用できる. 現在進行中の研究は,I(1)とI(2)が混在する共和分時系列の多変量Beveridge-Nelson分解をベイズ推定する手法を開発し,アメリカの主要マクロ経済変数の自然率とギャップの同時推定に応用した論文である.こちらは査読付き国際学術誌から改訂・再投稿の機会を与えられ,既に改訂・再投稿済みである. 国内外での学会報告も検討していたが,コロナ禍で中止やオンライン開催となるケースが多く,また所属研究機関が海外出張を禁じたため,2020年度は学会報告を見合わせた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題「多変量Beveridge-Nelson分解の拡張と景気分析への応用」の主要な成果として,I(1)とI(2)が混在する共和分時系列の多変量Beveridge-Nelson分解をベイズ推定する手法を開発し,アメリカの主要マクロ経済変数の自然率とギャップの同時推定に応用した論文を,査読付き国際学術誌に投稿し,改訂・再投稿の機会を得た.比較的軽微な修正の要求であり,既に改訂・再投稿済みなので.2021年度中には掲載が決まると期待している.
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Strategy for Future Research Activity |
I(1)とI(2)が混在する共和分時系列の多変量Beveridge-Nelson分解をベイズ推定する手法を開発し,アメリカの主要マクロ経済変数の自然率とギャップの同時推定に応用した論文について,査読付き国際学術誌からの要求に慎重に対応して掲載を確実にしたい.各種学会が対面で開催できる状況になり,所得研究機関の海外出張禁止が解除されれば,研究成果を積極的に国際学会で報告したい.
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Causes of Carryover |
国際学会に参加するための旅費として使用する計画であったが,コロナ禍でほとんどの学会が中止・延期・オンラインとなり,また所属研究機関が海外出張を禁じたため,使用する機会がなかった.次年度も状況が変わらないようであれば,ベイズ推定の数値計算を効率化するために,コア数の多い(少なくとも8コア)最新のコンピューターを購入したい.
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Research Products
(1 results)