2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K03663
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
黒田 敏史 東京経済大学, 経済学部, 准教授 (80547274)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 寄付市場 / 構造推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では寄付市場のデータベースを構築し、生産性推定、並びに寄付市場における広告競争の構造推定モデルを構築し、寄付市場における広告競争の経済的効率性の改善に向けた提言を行うことを目標としている。 29年度は構築した寄付市場のデータベース構築に基づいて生産関数の推定を行い、生産性の推移について分析を行う予定であった。しかし、データ収集が遅れており、引き続きデータの整備を継続している段階である。寄付市場のデータとして当初は開発途上国援助を行っているNGO等の財務データを利用する予定であったが、十分な情報が得られない組織が多く、他のデータを用いた分析を検討中である。他の候補として、地方自治体によるふるさと納税について、広告費とその他の費用、寄付額を十分な数だけ収集する事ができるのではないかと検討中である。 また、構造推定を行う上で必要となる数値計算を行うためのツールとして、Rによる並列計算とRcppの利用について学習した。複数のハードウェアでPython、Juliaとベンチマークテストを行って、需要関数推定にかかる実計算時間についての評価を行ったところ、RではIntelCorei76950Xプロセッサの方が計算時間が短いが、PythonとJuliaではAMDRyzen1950Xプロセッサの方が計算時間が短い事を確認した。Rでの数値計算はハードウェア性能を利用し切れていない可能性があるため、引き続き数値計算手法についての技術向上を行う予定である。 学会報告、論文執筆等はまだ行っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
NGO等の財務データから必要なデータを取得出来ると見込んでいたが、必要となる区分でデータを公表していない団体があり、データにセレクションが発生している。セレクションを統計的に排除する手法の検討も行ったが、より良いデータを捜す方が良いのではないかと考え、途上国支援団体以外の寄付市場のデータで分析を行えないかを検討した。現在日本のデータではふるさと納税が良い代替案ではないかと考えており、ふるさと納税における各自治体の寄付額、各自治体が投入した広告費と返礼品の費用を効率的に収集する方法について検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
ふるさと納税の制度と情報公開の方法について調査を行い、公表データの発掘、もしくは情報公開請求などを通じてデータを収集するための手法を確立する。 その後、RAなどを利用してデータ整備を行い、データベース構築後速やかに生産性と需要の推定作業を行う予定である。
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Causes of Carryover |
データベース構築が遅れているため、ラップトップコンピュータの更新、ソフトウェアライセンスの購入を行いませんでした。当該費用はデータベースの構築方針の再検討が終わった後、当初予定通りに執行する予定です。
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